新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2023年を振り返って

今年2023年もあと残りわずかです。われわれはパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻後から供給力不足を原因とするエネルギー資源や食糧などをはじめとするモノ(財)価格の高騰に悩まされ続けています。 今年を振り返る意味で年頭に書いた記事を読み返し…

悪しき日銀体質の復活

先日7月28日に行われた日銀政策決定会合において、黒田総裁時代に導入された金融緩和政策の一手法であるイールドカーブコントロール(長短金利操作)を実質形骸化させてしまうような決定が行われてしまいました。金融政策についてあまり関心を持っていない人…

賃上げ主導による経済成長とインフレ目標達成への道

ご無沙汰しておりました。今日から5月に入り、メーデーということで賃上げの話をしていきましょう。 第94回メーデー中央大会 ー令和5年4月29日 - Bing video 先月末になりますが、4月29日に岸田総理がメーデー中央大会に出席しました。現職総理がメーデーに…

新日銀総裁に指名される植田和男氏ってどんな人

先週末の2月10日に新しい日銀総裁として経済学者の植田和男氏を起用するという方針が伝えられました。これまで次期日銀総裁は財務省出身と日銀プロパーが交互に入れ替わるたすき掛け人事の慣例からみて、日銀プロパーである雨宮正佳氏か中曾宏氏ではないかと…

かなり悲観的にならざるえない2023年以降の日本の経済

新年明けから1週間以上経ちましたが2023年初の投稿となります。本当は明るい話題にしたいところですが、悲観的でかなり重い話をしなければなりません。 昨年の年始記事で「2022年は日本という国にとって運命のわかれ道となる年である」と述べました。経済面…

イタリア右派政党のベーシックインカムはやめた方がいい

本当はもう少し前に書かねばと思っていたことで、ベーシックインカムに関する話です。このブログが参加しているブログランキングサイトの紹介文を読んでいただいている方はご存じのとおり、筆者はベーシックインカムの導入に興味を持って研究をしていた時期…

高橋是清と重なる安倍晋三元総理の経済政策とその運命

今日は9月19日で、今から168年前の嘉永7年に昭和恐慌などの金融危機に対処した金融政策・財政家の高橋是清が誕生しています。今回は高橋是清と今年7月に暗殺された安倍晋三元総理について比較して論じてみたいと考えます。 この二人は同じ9月生まれであるこ…

統一教会騒動の影で忍び寄る紅い魔の手 ~現代版砕氷船理論~

安倍元総理暗殺後より、テレビや新聞などのマスコミはずっと安倍氏や自民党清和会と関係があったとされる(旧)統一教会についての話題ばかりを報じています。正直言ってかなり筆者はうんざりさせられているのと同時に、この騒動に便乗する形で安倍政権に頭を…

ひとりの人間の凶行が引き金となりかねない「悪夢の3年間」「亡国の8年間」

安倍晋三元総理が銃撃を受け殺害されるという痛ましい事件から三日経ちました。事件当日の晩に安倍さんが遺した外交・安全保障戦略や経済政策の政治的資産を賞すると共に、安倍氏の死によってこの国の安全や経済・雇用が非常に不安定なものになる危険性につ…

「ミスター総理」安倍晋三さんの死去で失うもの

本当は別のことを書くつもりでしたが、今日2022年7月8日、安倍晋三元総理が奈良市内で参議院選挙候補者の応援演説中に山上徹也という男が銃で氏に向かって発砲し、病院に搬送されたものの死亡するという事件が発生しました。あまりのショックと悲しみ、犯人…

「暮らしの経済手帖」5周年 経済と平和について

7月に入りました。今日7月1日は5年前にこのブログの前身である「暮らしの経済手帖」を開設した日であります。なおこのブログのプロモーショナルキャラクターとして制作した友坂えるも今日が誕生日です。 5年前に「暮らしの経済手帖」を開設したあとに「…

マスコミはほんとうに国民の立場で経済政策を語っているのか?

コロナ感染拡大による生産活動の停滞とロックダウンなどで抑えつけられていた需要の反動増によって原油や食糧、半導体などの価格が高騰し、さらにロシアのプーチン大統領がウクライナに対して仕掛けた侵略戦争によって、さらにそれらの供給不足が深刻化して…

狂人プーチンによる全世界を巻き込んだ史上最悪の自爆テロ

ほんとうはもっと早くこのブログでも取り上げるべきだったのですが、今回はロシアのプーチン大統領がはじめたウクライナに対する侵略戦争についてです。ロシア軍はウクライナの首都キーフをはじめとする都市にミサイルで無差別攻撃を行い、ウクライナ兵士だ…

雇用悪化・緊縮財政で国民生活を痛めつけかねない宏池会・岸田政権の危険性

自民党岸田文雄政権が昨年10月に発足してから3か月以上経過しました。この政権は当初より経済政策の方向性に不透明感があり、筆者は岸田氏が自民党総裁に選出されてからモヤモヤした感覚を常に抱き続けています。とはいえどまだ自民党総裁選挙中はまだアベノ…

運命のわかれ道の年となる2022年

皆さま、新年あけましておめでとうございます。ここしばらくブログ更新が滞りがちになっていますが、今年も「暮らしの経済手帖」をよろしくお願いいたします。 今年一年について占う漢字一文字として筆者は「岐」を選びました。その理由は政治家や中央銀行、…

岸田文雄政権発足と今後の経済政策の行方

先月9月29日に行われた自民党総裁選挙で岸田文雄候補が新総裁に選出され、10月4日の臨時国会にて第100代内閣総理大臣に任命されました。宏池会の議員が政権を握るのは30年ぶりのことです。 宏池会は1957年に池田隼人が旗揚げした自民党内の派閥で、大平正芳…

菅総理退任と自民党新総裁選挙

今月9月3日、菅義偉総理は月末で任期が終わる自民党総裁選挙に出馬しない意向を示しました。この方は新型コロナワクチンの調達をはじめ、クワッド(日米豪印戦略同盟)強化など防衛や外交戦略の他、経済対策などでも地道に仕事をこなされてきましたが、国民…

国民不在の抗争を繰り広げる自民党内派閥と霞が関官僚、小池百合子

7月から8月となり夏真っ盛りとなります。このブログを数ヶ月近く放置していたのですが、この間に政界では数多くのゴタゴタが発生しました。今年に入ってから今に至るまで半年以上も新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が敷かれている状況…

暮らしの経済手帖 4周年

ここしばらく更新をサボっておりましたが、今日7月1日はこのブログサイトの前身である「暮らしの経済手帖」の開設記念日です。4周年目になります。 プロモーショナルキャラクター友坂えるも今日が誕生日という設定です。キズナアイちゃんより一日遅れです。…

三度目の緊急事態宣言発令

前回「日本経済再起動に向けて ~護りから攻めのフェーズへ~ - 新・暮らしの経済手帖 ~時評編~ (hatenablog.com)」 という記事を書き、経済復興に向けた対策への転換について述べましたが、今日4月25日より東京、大阪、兵庫、京都の4都府県において三…

日本経済再起動に向けて ~護りから攻めのフェーズへ~

一ヶ月ぶりのブログ更新です。 今年令和3年4月13日に菅総理は経済財政諮問会議を開催し、人材への投資(ヒューマン・ニューディール)、デジタル化の加速について話し合いました。 令和3年4月13日 経済財政諮問会議 | 令和3年 | 総理の一日 | ニュース | 首…

定額給付金よりも給付付き税額控除制度導入を目指した方がよいのでは

前回「個人向けの給付金ではなく事業者向けが多い日本のコロナ経済対策 - 新・暮らしの経済手帖 ~時評編~ (hatenablog.com)」という記事を書きました。 metamorphoseofcapitalism.hatenablog.com アメリカでは3回目の定額給付金支給が実施されていますが、…

個人向けの給付金ではなく事業者向けが多い日本のコロナ経済対策

ここ最近個人向けの定額給付金の再支給を求める声が高まっています。これまで菅政権は一貫して定額給付金や持続化給付金の再支給を行わない考えを示してきました。いつも自分が視ている高橋洋一chでも「日本の経済対策は十分?給付金もう一回はないんですか…

緊急事態宣言再延長がもたらすサプライサイドの壊死の進行

今年1月から新型コロナ感染数増加によって政府から再発令された緊急事態宣言ですが、先月1ヶ月間今日3月7日まで延長されることになっていました。 もうすぐそれが解除され、休業や営業時間の短縮などで営業活動を自粛し続けてきた事業者が、その再開に向…

そもそもバブルって何?

最近経済評論家やマスコミとかがやっている「いまの株高はバブルだー」という奇妙な煽りについての批判の第3回目です。今回は「バブル」って何?ということの定義をはっきりさせておきましょう。あいまいなイメージだけで「バブルだー」とか「実体経済から乖…

いま金融緩和政策をやめるのは愚策

今月2021年2月中旬に日経平均の株価が1990年8月以来、30年6カ月ぶりに3万円台まで上昇したため「バブルが発生した」と言い出す人たちが出てきました。前回の記事で村上尚己さんの動画や記事で使われていた日米の株価のグラフを引用させていただきながら、バ…

いまはバブルなの?

「サプライサイドの壊死」をテーマに何本も記事を書き続けていて、まだその途中ですが、気になった記事とか発言をいくつか目にしたので注意書きを記すことにしました。それはここ最近の株価上昇の動きをみて「バブルだ」と騒ぐ人たちが多いことです。 今月20…

サプライサイドを破壊する社会主義と悪性インフレ

コロナ感染拡大と”サプライサイドの壊死”についての話を書き続けていますが、今回で3回目です。 国家財政破綻より恐れるべき危機 サプライサイドの壊死 その1 | 新・暮らしの経済手帖 ~経済基礎知識編~ (ameblo.jp) 「サプライサイドの壊死」こそ本当の将…

「サプライサイドの壊死」こそ本当の将来世代へのツケ その2

今回の記事ですが2020年6月30日に公開した記事「「国の借金」について考えてみる その4 「将来世代ヘのツケ」って何? | 新・暮らしの経済手帖 ~経済基礎知識編~ (ameblo.jp)」と主旨が同じものです。この記事で紹介した野口旭専修大学教授が日銀審議委員…

国家財政破綻より恐れるべき危機 サプライサイドの壊死 その1

今年2021年1月より新型コロナウィルスの感染者数が再び増加し、患者を受け入れる医療機関が逼迫しているために緊急事態宣言が再発令されましたが、その期限が切れる2月7日以降も一か月ほど延長されることになりました。これについてはやむをえないこ…