新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

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新年初投稿 「将来の予想と期待」について考える

新年あけましておめでとうございます。Yahoo!blogsから移転後初の新年のご挨拶です。

 

今回から新年らしく(?) 新・暮らしの経済手帖 ~経済基礎知識編~  と並行しまして、経済学における「将来の予想と期待」についての話を書き綴っていきたいです。

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「将来の予想と期待」と言いますと俗にリフレ派といわれる経済学者が唱えていたあれか?と思われる人が多いでしょう。2013年に日銀の黒田東彦総裁が就任するときに「物価上昇率2%達成を目標に大胆な金融緩和を行う」と国会の場で誓約していました。

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黒田総裁と同じく2012年に日銀副総裁に就任された岩田規久男教授はかねてより、中央銀行総裁がデフレ脱却を目指す強い意志を示し、その裏付けとなる大胆な量的・質的金融緩和政策を行って、デフレ不況脱却を計るインフレターゲットつきのリフレーション政策を主張されてきました。岩田教授は「リフレはコミットメント」という言葉を仰っています。

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コミットメントやインフレターゲットの考え方の背景にあるのはトーマス・サージェント教授らが研究した「合理的期待仮説」です。この仮説はいま起きている経済現象は人々の予想や期待によって左右されるというもので、若き頃のサージェント教授はそれとハイパーインフレの発生と収束過程の連関について論文を書かれました。

 

日銀がインタゲつきの量的質的金融緩和政策を導入してから8年経過しようとしていますが、この政策が導入された当初から「将来の予想や期待」やインフレターゲットについて、誹謗中傷といってもいいぐらいデタラメな反論を言い立てる人が後を絶ちません。リフレーション政策の考えを採り入れた第2次~安倍政権の経済政策アベノミクス批判をする人間の批判の仕方は的外れなものばかりです。

 

合理的期待仮説とかが無意味だとか、効果がないというのではなく、黒田総裁や現在の安倍政権の政策姿勢や態度が不透明で、ぐらついていて、本気でデフレ不況から脱しようという意思が見えにくくなってしまった点を批判すべきです。黒田総裁がいま以上の(量的)金融緩和を渋りがちな態度を見せるようになったり、昨年10月の消費税率10%増税といった財政政策面の緊縮傾向を強めたことが、黒田・安倍双方の覚悟を疑わせます。

 

今回についてはとりあえず簡単に書きましたが、今後日本の経済や人々の生活が深い闇の底に沈みこむことを防ぐ上で、人々の予想や期待を変えることが非常に重要になるとだけ最初に述べておきます。

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