新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

暮らしの経済手帖 4周年

ここしばらく更新をサボっておりましたが、今日7月1日はこのブログサイトの前身である「暮らしの経済手帖」の開設記念日です。4周年目になります。

プロモーショナルキャラクター友坂えるも今日が誕生日という設定です。キズナアイちゃんより一日遅れです。

 

当方が経済政策に関心を高めはじめたのはリーマンショック後のことで、日本において1990年代から続く長期の慢性的デフレ不況体質からの脱却を目指すリフレーション政策について興味を抱き始めたのは東日本大震災の混乱と民主党政権の迷走の真っただ中にあった10年前のときからです。一時井上智洋さんや山口薫さんらが提唱していた公共貨幣導入や民間銀行による信用創造停止を主張する通貨改革を唱えるグループに傾倒しかけた時期があり、このときに「暮らしの経済手帖」を開設しています。しかしその後、こうした主張には無理や矛盾があることに気がつき、私の論調はニューケインジアン的な方向に回帰しました。国内でいう「リフレ派」と呼ばれる経済アカウントであります。

 

2012年末に発足した自民党第2次安倍晋三政権が、2%の物価目標(インフレターゲット)によって短期だけではなく中長期にわたって中央銀行の金融政策態度を市中に明示し、民間企業がより積極的な事業活動や事業投資を進めることを促して、雇用の拡大を計るリフレーション政策の考えを採りこんだアベノミクスを実施しました。それから9年近く経過しましたが、今もなお後任の菅義偉政権が引き継ぐかたちで政策継続されています。異次元金融緩和によって狙い通り企業の事業活動・投資の活発化と雇用の拡大を促すことができたのですが、そのピークと思われる2018年後半においても消費者の消費行動を積極的に転じさせたとはいえず、不況から脱したもののデフレ体質から完全に抜け出しきれていないままです。そうこうしているうちに新型コロナウィルスの感染拡大がはじまり、経済活動が麻痺しかけてしまいました。世界各国の政府と中央銀行は前例を見ないほどの金融緩和と財政出動を行って、民間の生産活動や自国民の生活を維持できるように支援をしています。

 

そうしたコロナ禍もワクチン接種の拡大によって収束化が見えかけています。本格的な経済活動の再開と人々の生活の再建を進めることを考えていかねばならない段階になってきています。今回のコロナ禍は通常の不況と異なり、独特の大きな歪を遺しています。その例のひとつが「K字回復」と云われる業種や所得・資産階層ごとに異なる回復状況の二分化です。モノなどの製造業種はいち早く回復したものの、飲食や観光・宿泊業、興業など対面サービス業の打撃や回復の遅れは深刻なままです。政府による財政的支援策も通常とは考えが異なり、行政側の裁量によって被害が深刻な人々に手厚く支援をするやり方をしないといけないのです。

金融政策の判断も同様です。次回お話するつもりですが、多くの人々が思うように単純な「物価が上がったら金融政策を引き締めないといけない」という政策判断は通用しません。大きな落とし穴があります。

 

今回のコロナ禍は経済ウォッチャーにとって実力や力量が試される大きな試練といえます。

4年目の「暮らしの経済手帖」はそれに挑まねばなりません。

 

更新が滞りがちになりますが、今後ともよろしくお願いいたします。

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