新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

国民不在の抗争を繰り広げる自民党内派閥と霞が関官僚、小池百合子

7月から8月となり夏真っ盛りとなります。このブログを数ヶ月近く放置していたのですが、この間に政界では数多くのゴタゴタが発生しました。今年に入ってから今に至るまで半年以上も新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が敷かれている状況です。これには小池百合子東京都知事(2021年8月1日現在)が政府を相手にした巧妙な政治的工作が絡んでおり、国政側の菅義偉政権がこれに翻弄されているという背景があります。

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これは公然の秘密とされていますが、小池百合子都知事東京オリンピック終了後に国政復帰をするために、自民党二階俊博幹事長と接触を繰り返していると云われています。二階幹事長は自民党内の派閥である志帥会を率いていますが、小池百合子氏に禅譲するのではないかと噂されているのです。小池百合子氏とやはり同じく自民党の派閥・水月会を率いている石破茂氏は近い関係にありますが、もし仮に小池氏が志帥会を継承した場合、水月会と合併するかも知れません。

もうひとつ池田隼人の流れを引き継ぐ自民党内派閥で宏池会がありますが、そこに属する参議院議員林芳正氏が総理の座を狙うべく衆議院山口3区への鞍替え出馬を7月に表明しています。現在衆議院山口3区は自民党であるものの志帥会所属の河村建夫氏が議席をとっており、宏池会志帥会の衝突となります。

現在の菅総理は無派閥で党内支持基盤が弱く、さらに国民からの支持を強く得ているとは言えない状況です。この政権の弱体化がかなり目立ってきていますが、それを狙って小池百合子氏や志帥会水月会、宏池会自民党総裁・総理大臣の座を狙って内ゲバを繰り広げ始めている状況です。学級崩壊状態といっていいでしょう。

 こうした政治家同士の政治闘争の陰には霞が関の官僚たちも絡んできます。むしろ彼らが政治家を裏で操って気に入らない政権や政治家、法案を潰しにかかっていると見るべきかも知れません。彼らは日頃記事ネタ提供で餌付けしたマスコミの記者や左派系野党議員へのリークで世論を煽るようなことをします。

このブログでよく引き合いに出させて頂いていますが、菅政権で内閣官房参与を務められてきた高橋洋一さんが自身のツイッター上で他国と日本を比較した新型コロナウィルス感染者数のグラフを提示しながら『日本(の感染者数の状況)はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑』と発言したり、『日本は緊急事態宣言だといっても欧米からみたら戒厳令ではなく「屁みたいな」ものではないかな』とツイートしたために物議となってしまいました。

 

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マスコミは この高橋氏の発言をやり玉にあげ、氏は「人の命や平穏な暮らしを軽んじている」などと激しく非難します。しばらくするとツイッター上で「#高橋洋一内閣官房参与の辞任を求めます」という左派系活動家らしきアカウントによるハッシュタグデモがはじまりました。私はこれを見た瞬間にマスコミ+左派系ネット工作員財務省関係者(+C国共産党工作員)らによる高橋洋一潰しだと直感したのです。この騒動が起きたとき、緊急事態宣言の再々発令で需要が落ち込み、潜在GDPとの需給ギャップが広がっているので追加の経済対策やそのための補正予算計上の必要性を求める声が出ていました。高橋洋一氏も追加の財政出動が必要だと訴えていた論客のひとりで、その時期菅総理とも会見していました。何を話あっていたのかは公表されていませんが、追加経済対策の財源確保に関する菅総理からの質問に答えられていた可能性が高いと思われます。

高橋洋一氏は安倍前総理からの相談にも何度となく応じてこられ、昨年実施された臨時定額給付金国民ひとりあたり10万円の支給のときについても、国債を日銀が買い受けする形でその財源を確保できると高橋氏が答えたために実現できました。その後もコロナ禍で打撃を受けた事業者や個人を支援する補償金や補助金等の拡充を氏は提言されております。氏の「さざ波」発言を非難したり、高橋洋一氏や竹中平蔵氏のような新自由主義者は弱者の痛みはわからない」などと批判をしていた人の中には定額給付金の再支給を要求している人もいました。日頃高橋氏の発言をまともに聞いていない人が氏の内閣官房参与の辞任を求め、実際に辞職に追い込みましたが、その後に就任した内閣官房参与岸博幸氏でさらに緊縮色が強い人に入れ替わってしまったのです。今後給付金のような経済対策はますます実現性が低くなるでしょう。

高橋洋一氏に続いてマスコミやハッシュタグデモの標的にされたのが、西村康稔経済再生担当大臣です。

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氏はグルメサイトを通して飲食店の感染対策を評価させる「密告制度」や酒の提供をやめない飲食店に取引金融機関から圧力をかけさせるといった発言をしてしまい、これまで厳しい経営環境下で自粛に応じてきた飲食業界などから猛反発を受けました。この西村大臣の発言はとても許されないものですし、現実性がまったくない対策なのですが、これも財務官僚らが仕掛けた罠であることが浮かんできました。7月12日に国民民主党山尾志桜里議員がツイッター上で銀行などに飲食店の監視をさせる案について書かれた政府内文書を公開し、「発出前の事前調整は金融庁監督局監督調査室・財務省大臣官房政策金融課・経産省中小企業庁金融課の3部署と内閣官房でなされており、麻生大臣にはあげていなかったとのこと」とツイートします。

つまり金融機関を通した飲食店の監視という案は財務省系の金融庁監督局監督調査室と財務省大臣官房政策金融課、そして経産省中小企業庁金融課の官僚が作成したものであって、経産省は西村大臣に報告したけれども財務省系の財務省大臣官房政策金融課と金融庁監督局監督調査室は麻生財務大臣にこの文書を報告していないのです。結局元通産官僚であった西村大臣は迂闊にも部下からの提案を吟味しないまま発表してしまい、見事罠に嵌められたとみるべきでしょう。

この様子をみて元参議院議員の金子洋一さんは「財務省はわざと大臣の顔に泥を塗ったな。ひどすぎる。」とツイートされました。

金子洋一・前参議院議員(神奈川県選出)さんはTwitterを使っています 「財務省はわざと大臣の顔に泥を塗ったな。ひどすぎる。⇨財務省「強制力のないお願いで、一般的な感染対策を呼びかけてもらうものだ。圧力をかけるという指導の趣旨はなく、大臣にはあげなかった。:酒提供めぐる政府文書、財務省「要請だから大臣にあげなかった」 https://t.co/CPBzDS3O41」 / Twitter

先程申し上げたように西村大臣は経産省の前身である通産省の元官僚らしく、先走り気味でおっちょこちょいなところがある人だと聞きます。しかしながら緊急事態宣言下で休業や時短営業に応じてきた飲食店等に対する役所からの協力金支払いが滞りがちである中、西村大臣はその手続きの簡素化や先払い化を進めてこられています。しかし財務省側はこれを嫌がっていました。そうした西村大臣を潰すために財務官僚がマスコミや左派系の山尾議員に情報をリークし、さらにはツイッター上で高橋洋一氏と同様に「#西村康稔の更迭を要求します」というハッシュタグデモ工作員を使って煽り立てます。西村大臣への非難は左派系だけではなく保守系アカウントや自民党支持者まで加勢し、まんまと炎上作戦は成功したといっていいでしょう。山尾議員に文書をリークしたのは酒類取り扱いの飲食店業者への圧力発言は西村大臣だけの暴走ではなく、菅内閣全体が企てていたことだという印象を植え付けるためです。しかしながら山尾議員のツイートで発覚したのは政治家ではなく官僚の僭越行為でした。まるで旧日本軍の関東軍と同じです。

ここ最近のマスコミやネット上の動きをみていると、菅政権倒閣への動きがかなり加速してしまっているなという実感があります。多くの人の心の中にいまの政権を潰してスカっとしたい。あるいはそこまでいかなくても自民党政権にお灸をすえたいと考えている人たちがかなりいることでしょう。

しかしながらそうした火遊びは結局わたしたちの暮らしを破壊することにつながります。菅政権のあとの総理候補として名前があがっている人物をみますと、河野太郎氏、石破茂氏、岸田文雄氏などです。さらに先ほど述べた林芳正氏や小池百合子氏も総理の座を狙っているといわれています。彼らはいまの菅総理以上に増税・緊縮財政指向が強く、金融緩和政策についても消極的です。彼らが政権をとった場合、再び日本は慢性的不況と低成長体質に戻ってしまい、国力全体が低下して、私たちの暮らしも脅かされることになるでしょう。特に小池百合子氏や石破茂氏に政権を握られると国政や財政が東京都のようにメチャクチャに引っ掻き回される結果になると思われます。

安倍元総理の再々登板が最善のシナリオですが、いまの時点でその動きは感じられません。経済だけではなく外交・防衛の面までも考えたとき、いろいろ不満があってもいまの菅内閣の続投が最も現実的であるというのが私の見解です。

 

 更新が滞りがちになりますが、今後ともよろしくお願いいたします。

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