新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

いくら国債・貨幣を発行しても構わないという暴論はやめた方がいい

中野氏とMMT論者に対する批判を3回ほど書きました。本当はもっと彼らのまずい認識について厳しく批判しなければならないことが山ほどありますが、いまやっているのは国家財政の話です。こちらを優先します。

藤井聡氏や三橋貴明氏らとネット上の彼らの信奉者だけではなく、自称リフレ派という人も含めて「日本の国債は国内で調達されたものだから、いくら増やしてもデフォルトは起きない」とか「政府の負債は国民の資産になるのだからもっと増やすべきだ」という発言をする人が一挙に増えました。あまりのひどさに私は閉口せざる得なかったです。

リーマンショック直後の深刻な不況が起きた中で政府貨幣やヘリコプターマネーによる大型財政政策を進言されたこともある高橋洋一教授や田中秀臣教授らも彼らの暴言に何度となくツイッターやコラム記事などで注意や苦言を呈してこられました。

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高橋教授や田中教授以外にもある経済ブログのコメント欄において「国債を発行して紙幣を配ったり、政府紙幣を配ると、200%のインフレになる、そんなわけがないだろ。バーカ」とか「大規模国債発行や日銀の直受け、政府紙幣発行など、国民負担にならぬ手法を積極的に活用して社保財源の国民負担率をもっと減らしてあげないと国民の消費力(=需要力)は上がらない。」などと言った暴論が吐かれていたのを見たことがあります。

高橋是清を惨殺した戦前の日本の軍部とまったく変わらない思考の人たちです。何十年経っても日本人の幼稚性は変わらないということですね。

あと前回まで3回に渡り私はMMT(現代貨幣理論)について批判してきましたが、この論者たちは他の多くの経済学者だけではなく個人のブロガーなどにも攻撃的な誹謗中傷を繰り返しております。私はもし彼らが自分に対し何かを言ってきても完全無視とブロックを行うつもりですが、彼らに言いたいのは「あなたたちはそんな行動で支持者が増えると思っているのですか」ということです。私はMMTはカルト扱いのまま消え去る命運にあると見ています。本国アメリカのMMTも対極ですがサプライサイド経済学のように時が過ぎるとともに跡形なく消滅していくことでしょう。

あと自分はベーシックインカム実現を望む立場で、それを唱えている方のツイートをよく拝見しますが、あるとき腰が抜けるほど唖然とさせれたトンデモツイートを見てしましました。
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こんなことをもし本当にやったらハイパーインフレ確実でしょう。
フィッシャーの交換方程式 MV=PTのM(貨幣量)に100京円を投入してみてください。P(物価)はどうなりますか?小・中学生でもわかりますよね。

こんなツイートにいくつもいいねリプやリツイートがついていて愕然としました。
これでは「ベーシックインカムを導入したらハイパーインフレが起きる」とか「国家財政が破綻する」と思う人が出てきて当然です。ベーシックインカム賛同者なんかいなくなるでしょう。こんなツイートは自殺行為です。

人は楽観的な予想の発言よりも悲観的な予想の発言を信じ込みます。
私をはじめ上の高橋洋一先生らが財務省が煽り立てる国家財政危機論は心配ないと丁寧に説明を続けてきても、ほとんどの人たちは「日本の国家財政は危ない」と強く思い込んでいます。楽観的なことよりも危険そうなことに対し警戒してしまう生存のための本能でそうなってしまうのは当然のことです。人々に不安を与えることは簡単ですが心配ないですよと安心させることは何倍もの労苦を要します。

バカげた暴言は人々への不信を決定的なものにします。
結果的に「PBクソ喰らえ」とか「カネをどんどん刷っても構わない」的な暴言はよりひどい緊縮財政を招き、自分たちが望む政策の実現可能性を潰していくことになるでしょう。

積極財政を訴えるならばバランスシートを見せながら丁寧に国家財政の健全性が高いことを説明し、多少の歳出増加やプライマリーバランスの赤字があっても問題がないことを人々に理解してもらう形でなければなりません。

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~お知らせ~
今後日本の政局や北朝鮮問題についての論考は下記ブログで掲載していきます。

「お金の生み方と配り方を変えれば 暮らしが変わります」

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