今日は7月1日でこの経済ブログの開設1周年となります。
このブログは極力目線を下げて私たち一般生活者の暮らしをよくするための経済政策とは何かを探求するという目的ではじめました。このブログを開設する前に別の趣味系ブログの付録として経済や政治・社会情勢の話を記事として書いてきましたが、そこから完全に独立させる形で経済ブログを立ち上げるに至ったのです。
このブログで積極的に取り上げていきたい課題のひとつがベーシックインカム導入構想ですが、当初信用貨幣制度から政府貨幣(市民統治貨幣)への転換を目指す通貨改革(Currency Innovation)構想も併せて認知を広げていきたいという志を持っていました。通貨改革はアイスランドやポーランドで既に実現し、スイスでもこれと似たソブリンマネー・イニシアチブ構想が国民投票にかけられました。(スイスの場合否決) 日本ですと井上智洋さんが「AI・BI・CI」という語呂を掛け合わせながら、この考えを広めようとしています。
しかしながらこのブログの記事執筆をするためにケインズの流動性選好仮説の意味やリフレーション政策についての学び直しをしていくうちに、単純な貨幣数量説だけに依存した論理構築に無理があることに気が付きます。それと昨年2017年後半あたりより、土木公共事業に偏執し、財政赤字をつくらなければデフレ脱却はできないのだなどという勢力の発言が目立つようになりました。
そうしたことから日本で通貨改革を実施し、100%マネー化を計って市中銀行の信用膨張を抑え込んでも、政治・行政側が勝手に財政を肥大化させ、結果的に金融秩序を混乱させる可能性があると私は考え、以後あまり積極的にそれを推奨しなくなっていたのです。
とはいえアイスランドで行ったような通貨改革自体を完全否定するつもりもありません。
日本の銀行業も将来シュリンク(収縮)していく可能性があちこちのメディアで取り沙汰され、人員削減の話も飛び出しています。
銀行が民間企業や個人に融資することでマネーが供給されていくという信用創造がうまく機能していかなくなる可能性が出てきています。そうなっていくと新しいマネーは政府・中央銀行が市中へ直接的に供給するようなシステムへの転換が求められてくるかも知れません。
そういう意味で通貨改革の考え方を完全に捨てることは出てきません。
「アベノミクスとリフレ政策 」編などは少し庶民にとっては縁遠い話という印象を受けたかも知れませんが、今後は「暮らしの経済手帖」というブログタイトルにふさわしい内容の話を中心に進めていきます。