新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

運命のわかれ道の年となる2022年

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皆さま、新年あけましておめでとうございます。ここしばらくブログ更新が滞りがちになっていますが、今年も「暮らしの経済手帖」をよろしくお願いいたします。

今年一年について占う漢字一文字として筆者は「岐」を選びました。その理由は政治家や中央銀行、そしてわたしたち国民ひとりひとりの判断や行動が今後数年以上にわたる経済や政治、生活状況を大きく左右してしまう可能性が極めて高い年だと思ったからです。新年早々このようなことは申し上げたくないのですが、今年一年は経済や政治情勢、あるいは国際情勢が波乱づくめになるのではないかと筆者は予想しています。

もう皆さまがご承知のとおり、アメリカをはじめとする世界各国で高いインフレの動きが顕著となっております。日本では欧米ほどの高いレベルではないのですが、資源高や円安を起因とする物価上昇の気配が出かかっています。現在のところ企業物価指数は大きく上昇しているのですが、決して高い購買意欲であるとはいえない日本の消費者の事情を考え、日本のメーカーや販売店は企業努力で販売価格への転嫁を避けようとしてきましたが、限界を超えたためやむを得ず商品の値上げに踏み切る場面が増えてきました。

そうなってきますと、財政政策や金融政策の引き締めをすべきだという話が浮上してきます。既にアメリカの中央銀行FRBのパウエル議長は早期の利上げを示唆する発言をしています。昨年末「暮らしの経済手帖~基礎知識編~」の記事でも書きましたが、筆者はFRBの金融引き締め判断は早すぎで、物価抑制は本来は需要を膨張させすぎた財政政策の引き締めか、モノやサービスなどの財生産・供給活動を早期回復させることだと述べました。うまく景気や雇用を折らずに金融政策正常化へともっていければ御の字ですが、筆者は今年中盤あたりで早すぎる金融引き締めが災いして、企業活動が委縮し、雇用が再悪化する危険性を想像しています。

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村上尚己さんも筆者と同様の予想です。

toyokeizai.net

日本においても同様です。自民総裁選当初はアベノミクス継承を主張していた岸田現政権ですが、経済政策と外交・防衛政策は安倍・菅時代とは真逆の路線を歩んでいます。岸田総理は官僚色が強い宏池会に属していますが、茂木外務大臣の後任にやはり宏池会で緊縮財政色が強く媚中派といわれる林芳正議員を任命しました。税調会長もやはり緊縮派(緊縛派と言いたいが)として名高い宮澤洋一議員を任命しています。岸田政権の人事を見ていると露骨な安倍・菅路線否定で、金融緩和や積極財政を嫌い、中国よりの外交姿勢を感じさせます。彼らはお上の財政規律のことしか眼中になく、国民生活や雇用、民間企業の苦境を無視した経済政策を進めることでしょう。日銀の中でももっとも積極的に金融緩和の推進を主張されてきた片岡剛士審議員の後任ですが、おそらくまた金融政策のことをまともに知らないような素人を任命してしまうような人事を岸田政権がやらかす可能性が濃厚です。アベノミクス潰しにかかるでしょう。

そして習近平中国共産党覇権主義や暴走がどんどんひどくなり、香港はおろか台湾や尖閣諸島も吞み込もうとしています。そういう中で岸田政権のような媚中政権ができてしまったことは非常に危険です。有事勃発を覚悟しないといけません。

今年夏には参議院選挙をひかえているのですが、岸田政権の稚拙な経済政策や外交・防衛戦略によって雇用の再悪化や景気失速を招き、さらにはかつての民主党鳩山由紀夫政権のときのような外交・防衛の失敗をした場合、自民党は相当痛手を被る可能性があります。これがもとで極右ポピュリズム政党や政治家が現れないとも限りません。

昨年末に放送されたネット番組で山崎元氏や森永卓郎氏がかなり強烈な2022年の予想を打ち出しています。

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山崎元さんも岸田さんが日銀人事を誤って、黒田総裁体制になってからの金融緩和政策を台無しにし、日本が再び数年単位でまた停滞することを危惧されています。

このままですと、この国やわれわれが「蜘蛛の糸」の犍陀多のごとく、しがみついた糸がぷつりと切れて地獄の底へ真っ逆さまに墜ちるような状況になるでしょう。ここで何度か述べていますが、半藤一利氏が仰っていた「四十年史観」や「滅びの四十年」の正しさが立証されそうです。今後7~8年でわたしたちの日本の姿は想像しないような状況になっていても不思議ではありません。

わたしたち、とくに若い世代の方が危機バネを働かせて、この国が滅びへの道から再生への道へと転じていくことを祈ります。

 

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