新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

モリカケ騒動で失う大きな国益

いま国会で昨年に続きまた延々とモリカケ疑惑?が取り上げられています。 もう一月経ちますが朝日新聞が3月2日に森友学園との取引に関する決裁文書を財務省が書き換えたという疑惑を報道しました。その後3月12日に財務省が内部調査の結果、文書の書き換えが…

ペロニスモと親米政権で揺れ動いたアルゼンチンのハイパーインフレ

中南米で起きたハイパーインフレの経緯を辿っていますが、今回はアルゼンチンです。この国もやはり第2次世界大戦後からオイルショックまでは富裕国のひとつで「世界を制するのはアメリカかアルゼンチンか」と言われるほどでした。しかし50年間で底辺国へと没…

ブラジルのハイパーインフレ

今回はベネズエラに続き、ブラジルで起きたハイパーインフレの検証を行っていきます。「中南米諸国でハイパーインフレが続出した背景 」で既に概略を述べましたが、もう少し詳しく経過を述べていきます。 もう一度第2次世界大戦後からのブラジルの歴史を振り…

ベネズエラのハイパーインフレ

中南米はハイパーインフレが多発している地域ですが、いま現在進行形でそれが問題となっている国といえばベネズエラでしょう。前回はアメリカと国際金融資本に振り回される形で中南米諸国の多くがハイパーインフレを引き起こしたことについて触れましたが、…

中南米諸国でハイパーインフレが続出した背景

ハイパーインフレを起こした国の事例をいくつか検証していますが、それを引き起こした国は激しい戦争を起こしていたり、社会主義・共産主義国家であった場合が多いです。それともうひとつ目立つことは中南米諸国で多発していることです。それらの国を挙げて…

ジンバブエで起きたハイパーインフレ

前回記事は旧ソ連とロシアの話を中心とした「旧社会主義国家の崩壊で発生したハイパーインフレ 」でした。今回も社会主義政権の国で起きたハイパーインフレの事例でジンバブエです。昨年末に40年の長きに渡ってこの国の権力者として居座っていたロバート・ム…

旧社会主義国家の崩壊で発生したハイパーインフレ

ハイパーインフレの発生と非常に密接な関係を持っているのは社会主義国家です。これまで過去において発生したハイパ-インフレの56例のうち、およそ半数が社会主義国家で起きています。今回の記事はソ連崩壊直後のロシアで起きたハイパーインフレのことです…

希代のペテン師・ジョン・ローがつくったミシピッピ会社バブルとその崩壊

前回の記事「世界史上初のハイパーインフレ?フランス革命のときのアッシニア紙幣 」はフランス革命後に発生したハイパーインフレについて述べました。これは世界史上初のハイパーインフレと云われていますが、その前を遡ってみてもひどいインフレに見舞われ…

世界史上初のハイパーインフレ?フランス革命のときのアッシニア紙幣

「 ハイパーインフレについて」編は今回さらに時代を遡り、ブルボン朝による絶対王政が敷かれていた中世時代のフランスで起きた話をしましょう。世界史上初のハイパーインフレはフランス革命のときに発行されたアッシニア紙幣の暴落だとされています。 アッ…

二度のハイパーインフレに見舞われたハンガリー

第1次世界大戦後のドイツの事例に続き、至上最悪といわれたハンガリーの事例を取りあげます。ハンガリーはドイツと同じく第1次世界大戦後と第2次世界大戦後に二度もひどい悪性インフレに見舞われました。 ハンガリーはオーストリアと同じくハプスブルク家に…

ハイパーインフレがヒットラーの台頭を許したのではない

前回の「ドイツで起きたハイパーインフレについて 」の続編です。広く誤解されがちな「ハイパーインフレがヒットラーの台頭を許した」という認識について述べます。 今はどうか知りませんが、中学や高校の世界史の教科書などで書かれている第2次世界大戦前の…

ドイツで起きたハイパーインフレについて

前回からはじまりました「ハイパーインフレについて 」編ですが、まずその事例のいくつかを検証していくことから入ります。最初に選んだ事例は第1次世界大戦後のドイツで起きたことです。 本題に入る前に他の事例と共通していることを言いますと、多くの場合…

序章 ハイパーインフレはなぜ起きる

今回から「ハイパーインフレについて 」編です。 「日本の国家財政が破綻して国債が暴落し、ハイパーインフレが起きる」といった話が数多くの経済学者・評論家の口から出て、多くの人々に不安を与えております。またジンバブエやベネズエラなどは自国通貨の…

マルクス主義が混じった日本型ケインズ主義の問題

「ハイパーインフレについて 」編へ移る前に「財政政策のあり方」の追加記事です。 財政政策で常に援用されることが多いケインズ経済学の解釈について書きます。「国が財政赤字をつくってどんどん金をバラ撒けば景気がよくなる」などという日本の自称ケイン…

日本で政府貨幣(統治貨幣)制度を採り入れる日は来るのか

今回で「政府(市民統治)貨幣 」編の最終回にしたいと思います。 まずこのサイトで政府貨幣(統治貨幣)制度を取りあげた理由について述べていきましょう。 それは自分が経済学の初歩的知識を求めている間に見つけたあるサイトで、銀行による信用創造で貨幣…

適正な貨幣発行供給管理と財政の公正な分配ができるのか ~統治貨幣制度の課題~

非常に簡単ではありますが、アイスランドの通貨改革について解説してきました。私がアイスランドのフロスティ・シガーヨンスソン議員によってまとめられた「通貨改革 アイスランドのためのより優れた通貨制度」を読んだとき、「これはなかなかよくできたレジ…

アイスランドの鍋とフライパンによる無血革命が物語る自主・自立・自律の精神

2008年アメリカのサブ(ノン)プライムローンショックのあおりを受けて金融危機に陥ったアイスランドですが、これはこの国の主要銀行が15%以上にも及ぶ金利上昇で超ハイリスク・ハイリターン型投機に手をつけてしまったことで起きました。アイスランドの主…

アイスランド通貨改革案における貨幣供給のしくみ

前回より「通貨改革 アイスランドのためのより優れた通貨制度」を参考に統治貨幣による通貨制度の考察をはじめております。2008年アイスランドで起きた金融危機の状況をみてきましたが、今回はその処方箋というべき銀行の信用創造停止と統治貨幣(政府貨幣)…

アイスランドで起きた金融危機

ずっと長々と貨幣数量論や金融政策の話ばかり続けてきた「政府(市民統治)貨幣 」ですが、今回から一転してアイスランドの貨幣改革について考察していきます。何回か紹介させて頂きましたが「通貨改革 アイスランドのためのより優れた通貨制度」という資料…

通貨改革というプログラムに恣意や裁量主義というウィルスが紛れ込む危険性

銀行が無秩序に貨幣や負債を殖やし続ける信用膨張を究極的に防止し、政府や中央銀行が貨幣の発行供給量管理をしやすくするという考えで生み出されたのがシカゴプランやアイスランド・ハンガリーなどで採り入れられたのが政府貨幣(統治貨幣・公共貨幣)化や1…