新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

徴税と給付の公正化は歳入庁創設とマイナンバーが不可欠

ここのブログサイトの「ベーシックインカム構想 」編で紹介しているBI制度設計案は所得税制に基づく給付付き税控除という制度を土台にしたものです。詳しいことは「標準的なベーシックインカムの制度設計案 」で述べました。 国民全員に所得税や資産税を課…

ベーシックインカムと他社会保障制度との兼ね合い

前回ベーシックインカムは基本的に所得税制と組み合わせた形で制度設計するのが望ましいという話をしました。 前回記事 「ベーシックインカムの財源はなぜ所得税主体なのか 」 前々回記事 「標準的なベーシックインカムの制度設計案 」 原田泰教授のベーシッ…

ベーシックインカムの財源はなぜ所得税主体なのか

前回の記事ではもっとも標準的なベーシックインカムとその露払いというべき給付付き税控除の案を紹介しました。 こちらが推奨するのは所得税制と一体化させた包括的現金給付制度です。 ベーシックインカムは国民すべてに無条件で同じ金額の現金を直接給付す…

標準的なベーシックインカムの制度設計案

「ベーシックインカム構想 」の第3回目ですが、今回はわりと標準的なベーシックインカムの制度設計案について解説していきましょう。給付付き税控除(負の所得税)を土台に構築されています。 まず給付付き税控除ですが、確定申告とかをするとわかるように…

何のためにベーシックインカム?~BIへの期待は多様~

国民の誰もが無条件で分け隔てなく、現金が支給されるというベーシックインカムという制度に期待を持つ人が徐々にですが増えつつあります。このアイデアは非常にシンプルかつ包括的なもので、右派左派問わず、その魅力に惹かれます。しかしながら慎重派や反…

現実的なベーシックインカムの導入を目指すために~ベーシックインカム編序章~

今回からいよいよ待望(?)のベーシックインカム構想 編に入ります。このブログサイト開設当初から是非とも取り上げたかったテーマです。 ベーシックインカムは国がすべての国民に一定額の給付金を無条件で定期的に配り続ける制度です。この制度がもし実現…

雇用維持と防貧という国家の責務を果たせ

「貧困・雇用・格差問題 」編の締めくくりと同時に、この数ヵ月で顕著になってきた景気減速の動きへの対策について話していきます。 日本は過去四半世紀近くも経済活動を低迷させ続け、その間の経済成長率が世界最下位というとんでもない記録をつくってしま…

教育は貧困の連鎖を止める~教育は国家による投資~

「貧困・雇用・格差問題」編はもうぼちぼち終わりにしたいと思っていますが、今回は防貧政策として有効だといわれる教育政策について取り上げます。これはよくいわれることですが、親の貧困が子どもに引き継がれてしまうという「貧困の連鎖」問題があります…

消費税に対する幻想が将来を奪う

今年2019年10月に消費税率を10%に引き上げる予定となっており、方々から非難の声が上がっています。 こちらもかねてより、まだ景気回復の動きが盤石とはいえない時点での消費税率引き上げにずっと反対し続けてきました。ここ最近中国・アメリカ・EU圏におい…

経済格差と税制を考える

ずっと日本の左派政党の批判や彼らが陥りがちな解雇規制緩和や金融政策、実質賃金、企業の内部留保や労働分配率に関する勘違いについて書いてきましたが、ここで再び経済格差とその是正策についての話に戻します。今回のお題はそのために設定されている所得…

現代の貧困や労働問題に対処できなくなってきた日本の左派政党

「貧困・雇用・格差問題 」編だと言いつつ、左派政党やその支持者には受け入れられにくい話ばかり続けてきました。今回の話は1980年代で行き詰った左派政党のイデオロギーや労働組合などの活動と現代の貧困や雇用問題に対処できなくなってしまっていることに…

勘違いされがちな企業の内部留保や労働分配率のこと

低所得者層から中所得者層の生活水準向上のための経済政策のあり方を問う目的で書き進めている「貧困・雇用・格差問題 」編ですが、この問題が議論されるときに起きやすい解雇規制や最低賃金、実質賃金などに関する様々な誤解について指摘し続けております。…

一見誤解されやすい解雇規制や最低賃金・金利・実質賃金の話

比較的左派系の人たちが興味や関心を持つであろう「貧困・雇用・格差問題 」編ですが、前回の「逆にロスジェネ層や女性就労者・ひとり親世帯を苦しめる昭和型雇用制度 」ではどちらかといえば新自由主義者(ネオリベ)的な味付けの記事となりました。2~3回…

逆にロスジェネ層や女性就労者・ひとり親世帯を苦しめる昭和型雇用制度

「失われた20年」といわれる1990年代以降の日本経済停滞によって、生まれた貧困や経済格差問題のことを取りあげ続けています。 「1990年代の雇用不安定化とロスジェネ世代の発生がもたらした深い傷 」という記事で20年間にも及ぶ雇用の不安定化によって正規…