2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「政府(市民統治)貨幣 」編では銀行が勝手に信用創造で負債と貨幣を増やしてしまうことを停止させ、貨幣を政府が発行するものにし、貨幣量や物価、投資、雇用、消費活動を統治していく制度にしていく貨幣改革(CI-Currency Innovation)について問い直し…
前回は駒澤大学の井上智洋准教授が提案するベーシックインカム(BI)と信用貨幣制度から政府貨幣(統治貨幣)への転換という通貨改革(CI-Currency Innovation)を組み合わせた貨幣発行供給レジームについてお話しました。この考えを知ったのは下記論文…
「ベーシックインカムと政府貨幣導入の話は切り離して論ずるべき 」という記事で私は基本的に通貨発行益をベーシックインカムの財源に遣うのは不適当だと指摘しました。ベーシックインカムは実現可能ですし私もその実現を望みますが、財源は所得税もしくは資…
「政府(市民統治)貨幣 」編ですが、政府貨幣制度そのものよりも金融政策や財政政策、貨幣数量説のことが記事の主体となっています。市中銀行が無秩序に貨幣や負債を発生させることを防いで貨幣や物価、投資と消費の統治を直接的にかつ正確に行うというのが…
資産バブルは銀行がどんどん勝手に信用膨張で泡銭をつくり、投機家たちに乱脈融資を行うことによって形成されることはこのサイトで何度も説明してきました。 参考記事「バブルと恐慌の発生 」 これを防止するために信用創造の停止と政府(公共・統治)貨幣化…
1929年にアメリカで発生した世界大恐慌とその原因となった株式投機バブルによる銀行の信用膨張の反省からシカゴ大学の経済学者数名が集まってシカゴプランが練られました。それを新古典派の経済学者アーヴィング・フィッシャーが引き継ぎ、ミルトン・フリー…
様々な変動要因が絡んできれいに理論どおり動くとは限らないとはいえ、貨幣数量説で説明されているマネーの量と物価の因果関係は存在するでしょう。「お金の量を増やしても全然物価が上がらないじゃないか」という批判をする人たちが大勢いますが、それは貨…
前回記事「単純な貨幣数量説どおりにはいかないことを示したケインズ流動性選好説 」からつながる話です。 政府貨幣(公共貨幣・統治貨幣)制度への移行で政府や中央銀行が貨幣ならびに物価・雇用・投資・消費を直接的に統治させるという考え方は貨幣数量説…
銀行の信用創造で勝手に貨幣や負債を膨張させることをやめさせ、貨幣の発行権限は政府・中央銀行のみとするという貨幣改革のアイデアはシカゴ大学の経済学者たちが産み出し、新古典派経済学者であるアーヴィング・フィッシャーがその理論的骨組みを強化して…
私はすべての国民に一定額の現金給付を配布するベーシックインカムの実現を望む人間であり、その実現を計るための財源確保や制度設計のあり方を研究しています。しかしながら同じベーシックインカムという言葉を使っていても中にはトンデモなものがいくつも…
世界大恐慌後にシカゴ大学の経済学者が中心となって練られたシカゴプランは民間銀行の信用創造の停止と100%マネー化を行い貨幣の発行権を政府に限定するというものでした。それは恐慌前の株投機ブームに銀行がのっかり異常な信用膨張によってモノやサービス…
「財政政策のあり方 」編の総括記事です。 いまの安倍政権がなかなか思い切った財政政策を打ち出さないことから、このところそれをやれという声が高まっています。雇用がかなり改善されてきたとはいえ、本格的な賃金上昇や購買力回復によるデマンドプルイン…
「財政政策のあり方 」編でその理論的背景にあるケインズ経済学のことに触れましたが、この経済理論は深刻な不況に陥ったとき溢れた供給側に対し著しく落ち込んだ有効需要を穴埋めする必要性について説いています。需要(デマンドサイド)重視型の経済理論で…
「デフレと失われた20年 」編の「震災復興費は誰のものか~被災者への直接給付/支援こそが復興の早道~ 」で原田泰教授(現日銀審議委員)が東日本大震災の復興政策の問題について述べた「震災復興~欺瞞の構図~」という本を出されたことを紹介しました。 …
財政政策に関する諸問題を取り上げていますが、そのなかでも私が最もひどく気になっているのは日本の財政政策は現金直接給付型をあまり採り入れていないことです。お上から出来上がったモノやサービスといった公共財の現物支給が中心となっています。道路や…
財政政策のあり方とケインズ経済学の考え方について書き続けていますが、今回は投資としての財政政策です。 政府は「国よる再分配は質量保存の法則と同じ 」でも書いたように基本的にモノやサービスといった財を自ら生産しません。国家が生産するモノやサー…
小泉改革までの自民党政権が長年に亘って行ってきた土木公共事業ですが、これは単なる社会基盤整備としてだけではなく半ば経済政策として進められてきました。それはケインズの経済理論を援用してのものです。 土木公共事業は国が支出した事業費が工事を受注…
前回はケインズ経済理論や財政政策のときによく使われる政府支出乗数や均衡予算乗数の概説をしました。 「財政政策と乗数理論について 」 これまで財政政策のなかで乗数効果が2~3で波及効果も高いといわれてきた土木公共事業は現在1を少し上回る程度にな…
今回の「財政政策のあり方 」編でいくつかの記事において、田中角栄時代からひどくなった自民・経世会流の土木公共事業偏重主義や際限なき国債発行による財政出動要望に対して批判的なことを申し上げてきました。 「目的がわからなくなっている財政出動 」 …
突然ですが自民党が構想している憲法改正草案についての話をします。これは平成24年に作成され打ち出されたものです。 資料 日本国憲法改正草案 | 自由民主党 憲法改正推進本部 自分の憲法に対する考えについてですが、現行憲法を何がなんでも改正してはなら…
今回は非常に嫌な話をします。多くの人たちが国の再分配政策や財政政策に対し膨らませている期待や願望を潰す内容です。結論を先に言えば国は国民から税として預かった額を超える財を再分配することはできません。その理由は国は基本的に自らモノやサービス…
前回の記事「政府は無限に国債・貨幣を発行できるか 」の続きです。 国は通貨発行権を持っており、必要な量のマネーを発行することが可能です。貨幣とは何かと言いますといつでも好きな時に好きなモノやサービスといった財と交換ができますよという約束手形…
財政政策の話をする上で避けて通れないもののは財源です。それが確保できなければ実行不可能な政策です。と同時に政府の仕事の大多数は財政政策であると言っても過言ではありません。国民から財を預かり、民意に沿う形でさまざまな分野へ再分配するのが国の…
財政政策についてその意味や効果、そして今後あるべき姿について問いかけておりますが、今回は政府が行った財政政策がこれまで多くの国民の所得向上につながっていったのかについて検証しましょう。 過去の自民党が行ってきた景気対策の代表格といえば公共事…
先日下の2つの記事で自民党の田中角栄や経世会が進めていた土木公共事業偏重の財政政策に批判的なことを書きました。 「財政支出依存で着ぶくれした1980年代までの経済 」 「目的がわからなくなっている財政出動 」 2点の記事で伝えたかったことは土木公共…
財政政策やケインズ主義に対する思い違いについて書き述べています。 政府がお金をどんどん遣って景気をよくするという図式は非常にわかりやすいものです。しかしながらそれが本当に国民の暮らしをよくしてきたのか冷静に検証してみてみないといけないと思い…
今回の「財政政策のあり方」編はマクロ経済政策における意義や目的について問い直すという理由で書き始めました。このブログサイトは経済政策について解説していくもので、財政政策はその手段のひとつとして扱っています。 しかしながら財政政策の目的はいか…
2回ほど経済学者ジョン・メイナード・ケインズの理論について取り上げましたが、この経済理論が古典派と比べて画期的だったことは需要側(デマンドサイド)を重視したことでした。よくよく考えれば不思議な話ですが、古典派は供給側(サプライサイド)が国の…
前回記事「世界大恐慌で見えた古典派の限界とケインズ経済学の登場 ~有効需要の原理について~ 」は経済学者ケインズが唱えていた理論について簡単にまとめました。 ケインズの理論の本髄は流動性選好であり、人々が持っているお金が投資に活用されるか貯蓄…
財政政策の意義を唱える上で引き合いに出される経済学者ジョン・メイナード・ケインズの有効需要の原理について簡単に触れておきましょう。 ケインズ経済学が大きく発言力を増したのした背景は1929年にニューヨークで起きた世界大恐慌のときです。アメリカで…