新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

いま一度はっきりさせておきたいデフレの定義

「デフレと失われた20年」編ですが、本題に入る前に定義にデフレーションとはどういう状態なのかということを定義づけていかねばなりません。それの違いによって「デフレの方がモノやサービスの値段が安くなっていいじゃないか」という人がいたり、逆に「い…

異常すぎる20年以上のデフレ状態

今回から新編「デフレと失われた20年」に入ります。 日本の1990年代に発生したバブル景気崩壊とその後20年という異常に長い期間の経済沈滞について取り上げます。 前編の「バブルと恐慌の発生」編の続きになるのですが、「失われた20年」と云われる長期のデ…

恐慌を食い止めよ その7 アメリカ金融危機に立ち向かったバーナンキFRB議長

ずっと戦前の世界大恐慌や日本の昭和恐慌の時代のことを綴ってきましたが、現代の話に戻ります。今回はサブプライム(ノンプライム)ローンショックによって起きたアメリカの金融危機に立ち向かったベン・バーナンキFRB(元)議長の功績について述べます…

恐慌を食い止めよ その6 ニューディール政策は成功したのか?

恐慌という非常事態にいかなる経済・金融政策を打つべきかについて昭和恐慌のときに日本の高橋是清が行ったリフレ政策を軸に考察を進めてきました。昭和恐慌は濱口雄幸内閣とその蔵相だった井上準之助が進めた旧平価での金出解禁とそのための金融引き締め・…

恐慌を食い止めよ その5 ヘリコプターマネーは禁じ手か? インフレターゲットの重要性

果敢な金融緩和政策と財政出動で昭和恐慌の危機を脱した高橋是清蔵相のリフレ政策ですが、1936年(昭和11年)に皇道派軍人が起こした2・26事件で惨殺されました。高橋財政でゆるやかなインフレ(リフレーション)状態を生み政策目的を果たしたため、高橋は徐…

恐慌を食い止めよ その4 高橋是清のリフレ政策

前回は昭和恐慌が発生した背景について述べました。 これが起きてしまった原因はマネー不足とそれによる投資(雇用含む)の萎縮です。ここへアメリカで起きた世界大恐慌による需要ショックが襲い掛かり、致命傷となったのです。 今回からいよいよ高橋是清蔵…

恐慌を食い止めよ その3 昭和恐慌前夜

昭和恐慌で高橋是清蔵相が行ったリフレ政策についてお話していきますが、まずは昭和恐慌が起きた背景について見ていきます。 昭和恐慌は1929年の10月にアメリカで世界大恐慌が起きていたにも関わらず、当時の民政党濱口雄幸内閣とその蔵相で井上準之助が金本…

恐慌を食い止めよ その2 融資と投資の再起動

起きてしまった恐慌や激しい需要ショックにどう立ち向かっていくのかという方策についての話・第2回目です。 1929年にアメリカで発生した世界大恐慌と、それに連動するかたちで日本で発生した昭和恐慌、それから時代を下り2007年にアメリカで起きたサブプラ…

恐慌を食い止めよ! その1

これまでアメリカで1920年代に湧き上がったバブル景気と1929年の世界大恐慌の発生要因について考察してきました。今回から恐慌が発生したときの経済・金融政策についてお話していきます。 高度経済成長期を過ぎた資本主義経済においてバブルの膨張と萎縮は宿…

世界大恐慌はなぜ発生したのか その3 サブプライムローンショックとは?

今回は1930年代の世界大恐慌の話から外れ、時代が下ったアメリカのサブプライムローンショックについて取り上げます。 世界大恐慌とサブプライムローンショックは同じ構図で発生しています。株や不動産・資源などの価格が高騰し、それへの投機が異常加熱しま…

世界大恐慌はなぜ発生したのか その2 大衆をも巻き込む負債の魔の手

1929年にアメリカで起きた世界大恐慌の発生を検証する話の第2回目ですが、今回は銀行による信用創造の膨張が大衆をも巻き込んだことについて述べていきます。 ここで思い出していただきたいのは今わたしたちが日頃遣っている紙幣が、市中銀行の信用創造によ…

世界大恐慌はなぜ発生したか その1 モノとマネーの乖離

バブルと恐慌のお話2回目は1929年にアメリカで発生した世界大恐慌についての検証です。この恐慌は世界史上最も深刻かつ壊滅的な打撃を与えた経済危機で、アメリカのみならず世界各国にその被害を与えました。日本も例外ではなく、その余波で昭和大恐慌を引き…