2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧
今回の話はバブル崩壊後に様々なかたちで露わになった日本の縦割り型社会保障制度の綻びや限界について述べていきます。前回の最後でも1990年代を境に社会保険料収入の伸び悩みで社会保障財源の収支が悪化しはじめたことを話しております。1997年より本格的…
日本の貧困や経済格差問題を考える上で避けて通れない「失われた20年」と呼ばれる1990年代以降の慢性的経済不況問題の話をしています。今回から雇用の不安定化がもたらした世代間・生年間格差問題に入ります。1990年代以降の雇用不安定化は三重野総裁時代以…
今回も悪夢の1990年代についての話です。 バブル景気が崩壊したとき自分はまだ地方の大学生でした。自分が受講していたある講義を行っていた講師の方と懇意になり、毎週の講義が終わるごとに近くの喫茶店で夕食を共にさせていただきました。そのときにこの先…
日本の貧困・格差問題についての考察ですが、まず1980年代まで続いた終身雇用制度や完全雇用状態の行き詰まりについて取り上げます。 日本経済は戦後の高度成長期から1980年代のバブル景気まで、右肩上がりの成長を続けました。この時代は職業のより好みをせ…
「貧困・雇用・格差問題 」編はここから日本における問題を考察していきます。 トマ・ピケティ教授の「21世紀の資本」について、ここで取り上げてきましたが、日本の場合は他の世界各国に比べてピケティ教授が指摘してきたような極端な所得や資産格差が少な…
トマ・ピケティ教授の「21世紀の資本」についての話は第6回目です。今回は最後に岩井克人教授が書かれた論評について紹介しておきます。岩井教授はピケティ教授の仕事に敬意を持ち、積極的に引き合いに出しつつも、例のr>g(資本収益率>経済成長率)の不等…
トマ・ピケティ教授の「21世紀の資本」についての検証・第5回目です。 ピケティ教授は世界全体において極端な富の偏在と集中が発生しており、僅か1%の富裕層が地球上の約半分の富を独占・寡占してしまっている問題について指摘をしました。教授は過去200年…