新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

人口問題と国家財政危機論に振り回されるな ~社会保障・医療・福祉問題編の結びにかえて~

今回で「 社会保障・福祉・医療問題 」編は最終回とします。社会保障制度の概略から歴史、社会保障財源や医療・介護福祉・生活保護の各問題について追ってきました。一般の人が持ちがちな社会保障制度に関する誤解について解く目的でずっと記事を書いており…

経済学無視で損をしてきた医療・福祉関係者

生活保護の話を書き終え、「社会保障・福祉・医療問題 」編は今回を含めあと2回とします。今回は日本の医療や福祉関係者の多くが経済学に冷淡であることを批判します。 自分も20数年~30年前のことですが、福祉学科の大学生でした。高校時代から革新左派系の…

生活保護費負担の抑制はマクロ経済政策が第一

長くなった生活保護の話ですが、今回で締めくくりとします。最後はマクロ経済と生活保護の関係です。 これまで述べてきましたように生活保護は国によって何度も受給抑制が行われてきました。ここ数年で一番おぞましかったのは2012年に起きた生活保護バッシン…

生活保護の現物支給化・収容主義化はナンセンス

長く続けた生活保護の話はあともう少しだけです。今回は「誤解と偏見だらけの生活保護問題 」や「かなり湾曲されて伝えられている生活保護不正受給の実態 」で書いた2012年の激しい生活保護バッシングのときに多く出てきた保護費の現物支給化や保護利用者を…

逆に生活の自立と再建を損ねかねない生活保護・補足性の原則

生活保護という制度が抱える問題をずっと取り上げ続けていますが、今回は「生活保護制度の4原則と保護費の算定 」で述べた補足性の原則が保護利用者の生活再建や自立を損ねかねない問題について述べます。 もう一度補足性の原則について説明させていただく…

福祉事務所ケースワーカーが置かれている過酷な状況

非常に書くことが多い生活保護のことですが、今回はその給付を行う福祉事務所(役所内では「福祉課」などと呼ばれている)のケースワーカーが置かれている状況について話していきます。生活保護を利用している人たちの状況は大変なものがありますが、給付す…

役所の裁量に左右されてしまう生活保護の受給資格

前回「簡単にもらえない生活保護 ~保護利用を妨害する水際作戦と硫黄島作戦~ 」は生死に関わるほど極端な貧困状態に追い詰められたとしても、生活保護がすんなり簡単にもらえるものではないということを書きました。過去数十年の間に生活保護を申請しても…