新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

MMT(現代貨幣理論)とリフレーション政策の違いは何か?

ここのブログですが、最近読まれている記事のほとんどがMMT(現代貨幣理論)に関するものばかりです。彼らには失礼ながらも、MMTはオーストラリアやアメリカでポストケインジアンと呼ばれる一部の経済研究者たちの間でカルト的支持を集めていたものでした。…

ベーシックインカムと合わないMMT(現代貨幣理論)

「ベーシックインカム構想 」の本筋からやや外れますが、ここ最近急にアメリカや日本でMMT(現代貨幣理論)への関心が高まっています。アメリカの次期大統領選挙に急進左派といわれるバーニー・サンダース上院議員などといった候補者が名乗りをあげておりま…

井上智洋さんのヘリコプターマネーと組み合わせたベーシックインカム案

前回の「AIによるシンギュラリティが到来するのか? 」で人工知能(AI)やロボットが人間の労働を奪ってしまい、今後数十年の間に多くの人が就労できなくなってしまうような社会が到来する可能性は低いという話をしました。これを理由にベーシックインカムの…

AIによるシンギュラリティが到来するのか?

2015年に野村総研がAI(人工知能)やロボットなどの発達で人間が行っている労働の49%を代替することが可能になるというレポートを発表しました。 野村総研 「日本の労働人口の49%が人工知能(AI)やロボット等で代替可能に」 さらに駒澤大学の井上智洋准教…

自由と正義のためのベーシックインカム

政治や経済の話をするときに自由主義という言葉をよく耳にしますが、権力者の横暴を抑制し、国家が暴力や威嚇によって思想や言論を弾圧するといったことを排除するのはもちろんのこと、国民全体の利益に反する不合理な法規制を無くしていくことなどが政治的…

正義のリスク 山口真帆さんや一色正春氏など

「ベーシックインカム構想 」編の記事ですが、今回もジャスティス(justice)についてとそれを求める人が抱えねばならないリスクについて掘り下げてみたいです。justiceは日本で”正義”と訳されることが多いですが、本来は”公正”や”適正”という意味のようです…

「働かざる者食うべからず」について考えてみる

ベーシックインカムの研究をしていると、必ずぶつかる大きな壁が「働かざる者食うべからず」という反発です。 正直好きな言葉ではありません。 こちらが構想しているベーシックインカムや給付付き税控除案は、当面モノやサービスの生産をはじめとする社会的…

解雇規制緩和はベーシックインカム導入が前提

「貧困・雇用・格差問題 」編の「一見誤解されやすい解雇規制や最低賃金・金利・実質賃金の話 」という記事で昭和時代の終身雇用制度や解雇規制が逆に労働市場の流動性を損ね、労働者の雇用促進や賃金上昇を阻む要因になりかねないという話をしました。 ここ…

普通の人に早めに現金を配る方が安上がりか?

これまで解説してきたようにベーシックインカムや給付付き税控除は貧困者というごく限られた層の人のみを対象とした生活保護と制度の設計思想が大きく異なり、より幅広く、普遍的な現金給付制度です。BIや給付付き税控除はごく一般的な就労者の人でも給付を…

ベーシックインカムと教育バウチャーや住宅バウチャーの組み合わせ

もし仮にベーシックインカムや給付付き税控除を実現したとしても、最初のうちは最高でひとり月数万円程度の給付になるだろうという話を私はしました。経済状況を見計らいながら給付額を少しづつ増やしていけばいいかと思いますが、それでもすぐに生活保護と…

低所得者だけではなく低所得状態でも給付される給付付き税控除

今回は給付付き税控除やベーシックインカムと生活保護との違いについて話します。以前三橋貴明がベーシックインカムというけれども国民に現金を配る制度だったら既に生活保護があるじゃないかといったような主旨の発言をしています。 しかしながら両者で大き…