新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

国民生活に関わる社会保障・福祉・医療問題編へ

今回から「社会保障・福祉・医療問題 」編です。これまで貨幣の発生から、バブル景気とその後のデフレ不況発生を取り上げ、いま安倍政権が進めている経済再活性化政策アベノミクスリフレーション政策がどういうものなのかについて説明をしてきました。この他にもハイパーインフレや通貨改革などの話もしています。これらの話は基礎的なマクロ経済政策に関することです。その目的は国全体の経済成長をどう維持するのか、もっと極端をいえば企業の投資をいかに伸ばすかといったことです。

マクロ経済政策は国民個々人の生活福祉の向上に不可欠なもので、経済成長がなければその実現は望めません。企業の投資が活発に行われ、雇用がしっかり確保されることによって、モノやサービスといった財が豊富に生産され、所得分配ができるのです。

しかしながらマクロ経済政策ですべての人々の生活福祉問題が解決できるわけではありません。極論をいえばマクロ経済政策はものすごい経済格差があって一部の富裕層や大企業に富や財が集中して、残りは貧困状態であっても、その国の国内総生産GDP)が抜群に高ければそれがうまくいっているということになります。それではいくら何でもまずいじゃないか?全体主義的思想ではないか?と皆思うことでしょう。
そこで登場するのが税制や社会保障制度による再分配制度や経済以外の生活問題を扱う福祉や医療制度の出番となってきます。

ここでは社会保障制度と福祉・医療は厳格に区別します。社会保障制度は国民の所得保障制度で富や財の再分配制度のひとつとして見なします。福祉や医療はお金ではなくサービスの給付・支援です。福祉や医療はいわば現物支給の制度です。この認識が混乱している人が多いので注記しておきます。

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実を申せば私も大学は福祉学科だったのですが、当時の社会福祉法制の教授が口うるさくこのことを強調していました。このブログは経済ブログですので前者の社会保障問題を中心に取り上げる予定です。

これから展開していく予定の話は「税と国家財政問題 」編の「財務官僚が煽る国家財政危機の嘘 その4 社会保障費 」と内容が重複しますが、社会保障財源についてが第1にきます。少子高齢化問題をどう乗り越えていくべきかという話です。
次に現行の社会保障・福祉・医療制度がどのように発達してきたのかという歴史背景や、縦割り式の現行制度、バブル崩壊と終身雇用制度破綻に対応できていない問題などについて考えていきたいです。
さらに生活保護制度や終末期を含めた医療費負担の問題も取り上げていきます。

この「社会保障・福祉・医療問題」編の次は「貧困・雇用・格差問題 」編へとつなぎますが、後者は失業や貧困対策に特化していきます。

そしてその集大成として「ベーシックインカム構想 」編へと最後つないでいきます。

このサイトは「暮らしの経済手帖」といいながら、ここまで話してきた内容は多くの人にとって直接的にわたしたちの生活に関わった話という実感が持てなかったかも知れません。「景気回復は一般の消費よりも企業の投資の活発化が第一」と企業優先的なことも述べてきております。しかしながらそうしたマクロ経済政策の話を先にしないと、社会保障制度や福祉制度の話もおかしくなっていくのです。日本の場合、社会保障・福祉行政の研究者や実践者は左派系が多く、経済学の話を禁忌する傾向が強いです。これは世界的にみておかしなことです。こうした批判も行っていくつもりです。

遠回りをしましたが、やっと「暮らしの経済手帖」にふさわしい話ができます。

~お知らせ~
今後日本の政局や北朝鮮問題についての論考は下記ブログで掲載していきます。

「お金の生み方と配り方を変えれば 暮らしが変わります」

サイト管理人 凡人オヤマダ ツイッター https://twitter.com/aindanet
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