新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

中華主義に乗っ取られたグローバル社会と経済 ~恣意主義と不確実性は資本主義・自由主義経済を壊す~

 前回に続き中国共産党批判をします。

metamorphoseofcapitalism.hatenablog.com

 

f:id:metamorphoseofcapitalism:20200819075817j:plain

 

中国共産党という組織は今、資本主義経済と自由主義そして民主主義を破壊しようとしています。この国家と組織は世界中を不確実性という危機に陥れ、さらに恣意主義や強権主義、恐怖政治で世界を支配しようとしているのです。資本主義・自由主義経済と民主主義という近代社会システムにとって最大の危機といっていいかも知れません。

グローバル社会とかグローバル経済という言葉を否定的に捉える人が多く、今回のコロナ禍もその弊害であるという見方をする論者がいたりします。また日本の場合ですと(新)自由主義を強欲な拝金主義とか弱肉強食の競争至上主義みたいな捉え方をしている人も大勢います。しかしながら私はそう考えません。いまのわたしたちの豊かで自由な生活は資本主義経済と自由主義経済そして民主主義によって支えられたものです。その3つが世界的普遍思想やシステムすなわちグローバル・スタンダードとなっていくことで平和と安定をもたらしているのです。私たちにとってそれが空気のような存在となりありがたさを忘れてかけていました。

現在グローバル経済や社会が中国政府の露骨なまでの覇権主義中華思想に乗っ取られようとしています。アメリカのトランプ大統領や中国に靡いていた他の欧州諸国の政治指導者たちまでもが、中国政府の邪悪さや危険性に気がつきかけました。中国と取引してきた国々や企業はこれまで莫大な富を得てきましたが、コロナショックでそれが完全に吹っ飛んだようなものです。さすがに目を覚ますでしょう。さらに他国も自分の主権下に入ると宣言したような香港国家安全維持法制定で、ますますどん退きしたと思われます。

別のブログで書いたことですが、経済活動における最大の危機は不確実性であり、中国政府はそれをコロナウィルスと共に世界中に拡散しました。

人類最大の敵(?)=不確実性が無限大のコロナ危機

ameblo.jp

ありとあらゆるモノやサービスの生産や販売活動を行う上で重要なことは予想や期待です。生産計画や販売計画、そして経営計画は将来何がどれだけ売れるのか?経済情勢や社会情勢がどう変化していくのかという予想や期待に基づいて立てられるものです。多くの企業は経済危機や事故ならびに災害の発生に遭遇するリスクを見込んで設備や雇用といった投資の判断をするのですが、不確実性はリスクのように確率計算すらできないような不測の事態です。いまのコロナ危機は昨年2019年末の時点まで発生が予想できないものでした。企業や個人にとって先行きがまったく見えず、思い切った投資や消費が非常にやりにくい状態です。

企業や個人店舗はたとえ政府が営業自粛を要請している、あるいはロックダウン(都市封鎖)をしているような状況でも毎月決まった賃料や従業員の賃金、税金などといった固定費の支払いを支払い続けないといけません。コロナ感染拡大の危機が早く収束することがわかっていれば短期間の損失を被ることができますが、いつまで危機が続くのかわからない不確実な状況であれば会社や店を畳むという判断を下さざるえなくなります。そうなった場合はコロナ危機が去った後でも民間の経済活動が再生しない恐れがあります。これが不確実性の恐ろしさです。

コロナウィルスの感染だけではありません。中国の場合他にも不確実要素をたくさん持っています。この国は法治主義ではなく、政府高官・共産党幹部の恣意や裁量でものごとが決まってしまいます。朝令暮改が当たり前ですし、彼らの機嫌ひとつで許可や禁止が決まります。最悪身に覚えのない理不尽な言いがかりをつけられて逮捕されたり処刑されることだってあります。香港国家安全維持法についても法律が施行されるまでその内容が公開されていませんでした。結局何をしていいのか悪いのかの線引きがまったくわからないし、それがコロコロ変わってしまうのが中国政府です。不確実性が高い相手です。

今回の新型コロナウィルス感染拡大が収束したとしても、中国共産党の杜撰さや隠蔽体質が改まらない限り似たような惨事が再び起きる可能性があります。旧ソ連の統治下であったウクライナで発生したチェルノブイリ原発事故のようなことがあっても不思議ではないのです。香港国家安全法という悪法の制定によって一国二制度が崩壊し、投資家たちが香港から資本を引き揚げる動きも加速するでしょう。これまで急成長を遂げてきた中国へ我先にと進出してきた他国企業は今後痛い目に遭うかと思われます。中国への投資は「行きはよいよい帰りが恐い」です。ヤクザの組抜けと同じで抜けたくても抜けられないような事態が起きるかも知れません。

これまで他国は中国に対し、経済成長を遂げて他国との国際交流や交易が盛んになっていくに従い、西側の自由主義・民主主義的価値観を共有しあえる関係を築けるのではないかという期待を持っていたかに思えます。しかし中国政府はそうならなかったどころか、強大化した経済力と軍事力にものを言わせ世界中に覇権主義や強権主義を剥き出しにしてきたのです。今回の世界的規模でのコロナウィルス蔓延で自由主義的経済活動が壊滅させられ、そこへ火元である中国が火事場泥棒までしでかすという悪夢的状況が想起される状況です。

私は130年前に新聞の社説として書かれた「脱亜論」と重ねあわせております。これは福澤諭吉が書いたものではないかと云われているものですが、その背景は福澤と親交のあった朝鮮開化派の金玉均らによる甲申事変が中国・清政府の介入によって失敗に終わってしまい彼らが惨殺されたことへの失望感や憤怒にあったとされています。その当時の状況から中国は何も変わっていないのです。

自由主義経済・民主主義体制の国は中国政府と袂を分かつ心準備をせねばならないのではないでしょうか。


全般ランキング


政策研究・提言ランキング

 

ご案内

「新・暮らしの経済手帖」は経済の基礎知識についての解説を行う基礎知識編ブログも設置しております。画像をクリックしてください。

f:id:metamorphoseofcapitalism:20200814191221j:plain
https://ameblo.jp/metamorphoseofcapitalism/

ameblo.jp

 
サイト管理人 凡人オヤマダ ツイッター 

 

https://twitter.com/aindanet

twitter.com

 

お知らせ

「暮らしの経済手帖」プロモーショナルキャラクター・友坂えるの紹介です。

f:id:metamorphoseofcapitalism:20200814190559j:plain