新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

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狂人プーチンによる全世界を巻き込んだ史上最悪の自爆テロ

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ほんとうはもっと早くこのブログでも取り上げるべきだったのですが、今回はロシアのプーチン大統領がはじめたウクライナに対する侵略戦争についてです。ロシア軍はウクライナの首都キーフをはじめとする都市にミサイルで無差別攻撃を行い、ウクライナ兵士だけではなく、罪なき子どもや女性らを含めた一般人を含めて数多くの犠牲者を出しています。さらに恐るべきことにウクライナ領内にある稼働中のザポロジエ原子力発電所にまで攻撃を仕掛けました。ジュネーブ協定違反です。この攻撃の目的はウクライナ国内の電力供給を断つ兵糧攻めではないかといわれていますが、さらに恐ろしい考えをプーチンは持っており、ウクライナ全土をチェルノブイリのように放射能汚染させて人が住めない状況にし、非武装中立地帯にしようとしているとまで囁かれています。核兵器を使わずにウクライナ全土を核攻撃したのと同じ状態にしてしまうというのは完全に悪魔的所業です。

このようなプーチンの蛮行を他国が黙って見過ごすわけではありません。理不尽極まりない侵略行為と決死の覚悟で闘うウクライナ兵士や市民たちに対し、欧米諸国は武器や支援物資を送り込むことの他に、ロシアに対しSWIFT(国際銀行間金融通信協会)やロシア中央銀行が持つ海外資産凍結といった金融制裁を与えます。これによってロシアの通貨ルーブルは国際的な商取引の決済に使えなくなり、国外では紙屑同然になります。当然ルーブルの価値は暴落するのですが、ロシア中央銀行保有している外貨準備を吐き出して為替市場介入することができず、ルーブル暴落を加速させます。ロシア側は天然ガス原油の輸出で積み上げた国益を吹き飛ばすことになり、自国通貨暴落で必要な物資の輸入価格が暴騰します。すでにロシアにおいてかなり高いインフレが発生しており、ロシア中銀の20%というとんでもなく高い政策金利で企業投資ができなくなっています。ロシア経済は破綻必至でしょう。SWIFTからの閉め出しや中央銀行の資産凍結は「金融の核兵器」といわれるほどの強硬手段です。ロシアは恐慌とハイパーインフレのダブルアタックに見舞われるでしょう。これはハイパースタグフレーションの発生といった方がいいでしょうか。

ウクライナ国民だけではなく自国兵士や自国民まで困窮状態に追い込むことを辞さないプーチンの行動は狂気の沙汰です。彼の行動は彼自身を含め全世界誰ひとりも幸福にしないでしょう。仮にウクライナを武力で征服しても、または逆にプーチン政権がクーデター倒され戦争が終結したとしても、リスクと不確実性の塊というべきロシアへ投資する他国企業はなくなっていきます。この戦争でロシアから事業撤退した企業は戻ってくるはずがありません。この国の窮乏化は何年、何十年と続くことでしょう。プーチンの行動に合理性は何ひとつなく、彼の思考がどうなっているのか理解に苦しみます。

ネット上でロシアをDV彼氏、ウクライナを元カノ(彼女)に例えている人たちがいますが、筆者はDV彼氏ことプーチンが、元カノのいるマンションに侵入し刺殺して、その後ガソリンを撒いて火をつけてマンションを丸ごと爆破させたように思えてきます。マンションに住んでいた関係のない住人も巻き添えになって死亡、マンションの近隣にもガラスの破片が飛び散ったといったところでしょうか。

筆者がこの戦争について第一に思ったことは、(旧)社会主義共産主義国家が全世界に撒き散らした災厄であり、自由主義に対する挑戦であるというものです。自由主義を護るためにもわれわれはウクライナに対し、最大限の支援をすべきです。ある自称・自由主義者ウクライナ大統領のゼレンスキー氏に「早く降伏しろよ」みたいなツイートをしていましたが、プーチンの暴走が自由主義最大の危機であるという認識が欠落しています。今回の戦争の行く末は中国共産党習近平もしっかりとみているでしょう。もし仮にウクライナプーチンの手によって陥落した場合、それをみた習近平も台湾や尖閣諸島を侵略してくるでしょう。日本も呑み込まれるかも知れません。

以前にも紹介しましたが、経済学者の本田悦郎さんが中国・武漢から新型コロナウィルスの感染が全世界に拡がってしまった状況について、旧ソ連時代に起きたウクライナチェルノブイリ原子力発電所事故(1986年)を想起すると仰っていました。 

このように国家社会主義共産主義は何度も世界中を巻き込む形で大規模な破壊と殺戮、汚染を繰り広げ続けたのです。非常に多くの尊き人命が失われたと共に、経済システムの混乱、巨額損失も与えています。国家社会主義共産主義は人類文明の癌細胞というべきものです。

コロナ禍と今回のプーチンによる侵略戦争は世界の経済構造やエネルギー戦略を大きく転換させることになるでしょう。民間の経済活動が積極的に進められる条件とは平和と安全、安定、そして自由が保障された社会です。ロシアや中国のように独裁者の恣意によって安全や自由が常に脅かされる国において、民間が安心して事業活動を行うことはできません。今回のプーチンの乱心によってロシアに投資した企業は巨額の損失を被ることになります。この国に事業進出したいという企業はもう現れないでしょう。

ロシアと取引していない民間事業者や一般個人も今回の戦争によって天然ガス原油高、電力コスト上昇という打撃を被ることになります。ロシアや中国に依存しない資源や工業製品の供給網(サプライチェーン)の構築が求められますが、それには時間がかかります。残念ながら我々はその大きな損失や負担を背負わないといけません。

しかしながらわれわれはその巨大なコストと犠牲を背負ってでも、国家社会主義との訣別を計り、自由主義と民主主義を護るために闘っていかねばならないのです。傍若無人な権力者を倒し、民衆が自由と民主主義を勝ち取るための闘いは無血ではありませんでした。数多くの過去の先人たちの血が流されています。それは現代においても変わらないという現実を突きつけられた思いであります。

 

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