新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

反アベノミクスではなく超アベノミクスでなければならない

本格的な経済改革案の説明をさせていただく前に、現在のマスコミ報道姿勢や不安定化しつつある政局、経済論争の動きについて苦言を述べたいと思います。

先月6月末より安倍政権の支持率が急激に低下しました。その原因はマスコミや民進党をはじめとする野党側が森友学園への公有地の廉価売却や加計学園の獣医学科新設において安倍首相が便宜を計っていたなどという疑惑(というか妄想に近い)を膨らませて何度も国会や記者会見の場で追及したことや、テロ準備罪の法案審議を「強行採決」などと言って、いかにも安倍政権が強引かつ強権的・恣意的に行財政を推し進めているかのような印象を多くの市民に植え付けたことが第一でしょう。
これらの騒動を煽動した思われるマスコミや左派系野党、さらにその背後にいると思われるポスト安倍を狙う自民党議員や官僚に対し厳しく非難したい気持ちが私にありますが、ここでは差し控えます。

ただ経済観察者的な立場でいえば、いまの現政権がレームダック(死に体)化したり倒閣した場合、多くの国民に様々な経済的打撃を与えるような事態が予測されます。一見雇用が順調よく伸びて景気回復の足取りがしっかりしつつあるかに見えますが、相変わらず個人消費が低空飛行状態です。本来であればそのテコ入れをすべく思い切った財政出動等を行わないといけないのですが、政局の混乱でそれらの実行が進まない恐れが出ています。
これは非常に困ったことなのですが、いま日本の政治家のほとんどが増税・緊縮財政志向であり、経済軽視です。もし仮に安倍政権が倒閣・レームダック化した場合は消費税の10%引き上げがほぼ確実になりますし、社会保障費等の大幅削減や保険料値上げなどが進み、個人の家計負担はかなり重いものになることでしょう。

それよりも今回復しかけている雇用の方もまたおかしなことになりかねません。(株価の動きが悪くなったらその前兆)

いまの安倍政権以上に国民の生活をより豊かに改善させることができる経済再生政策を真摯に考え、それを実行に移そうという志を持った政治家が現時点で表に現れていません。国民側もそうした経済政策を進めてもらいたいという声をあげていないのです。
この状況のままで現政権を倒閣させてしまった場合、われわれ国民の生活が苦境に追い込まれる危険性が高いのです。再び多くの人たちが就職先に困り、賃下げや職場の待遇悪化に苛まれることになりかねません。デフレで物価下落が進めば出費が減って生活が楽になるという人たちが大勢しますが、これは非常に危険な考えで失業や破産によって無所得に陥る事態を考慮していない無防備なものです。

アベノミクスに代わるしっかりとした経済ビジョンを持ち、「自分たちの所得を安定的・持続的に向上させていきましょう」と国民をリードさせていくことができる”ミスターX”というべき政治家が登場しない今の状況で、現政権を弱体化させることは再び日本国民全員を破局への道へと向かわせることになります。

民間企業による生産活動を活発化させ、優れた商品という富や財を殖やし、まんべんなくすべての国民に分配していくための経済政策構想をわれわれ国民の側が考え、提唱し、政治家を動かしていくことが必要なのです。

いまの左派系野党やマスコミ、多くの経済学者・評論家のように、ただアベノミクスに反対したり潰そうとするだけでは、わたしたちは豊かでゆとりのある暮らしを得ることはできせん。むしろ逆に多くの国民は深刻な経済停滞や重税に一生苦しめられることになるでしょう。

アベノミクスで採用された金融緩和政策を中心とする経済再生政策を否定するのではなく、より低・中所得者にやさしく、直接的な恩恵が得やすいものへと発展・継承していくという考えの方が合理的です。

アベノミクスの場合は民間企業による設備投資意欲や民間銀行の融資積極化を促し、信用創造(起債・融資によるマネーの発生)を活発化させ、市中へ通貨を多く流していくという考え方を採っています。また雇用増加によって所得分配を増やしていくことにもなります。

しかしながら民間銀行による融資によって生まれる信用(債権)貨幣ではなく、政府が貨幣を発生させ、そのままそれを公共事業に活用したり直接国民に給付するヘリコプターマネーという政策もあります。民間の設備投資や雇用意欲が十分に回復しない場合にこの方法は非常に有効です

アベノミクスのせいで庶民の生活ガー」とか「国民はちっとも生活がよくならない」と言うのであれば、ヘリコプターマネーの実施を訴えるべきでしょう。そうしないとわたしたちの暮らしはいい方向へいつまでも改善しないままです。

「お金の生み方と配り方を変えれば 暮らしが変わります」

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