新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

緊急事態宣言解除後も終わらないコロナウィルスとの闘い

今月に入って延長が決まってしまったコロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言ですが、自粛要請で営業・操業を休止させられ深刻な売り上げ落ち込みと月々の支払いの板挟みになって苦しんでいる民間事業者の経営者らにとって非常に酷なことになってい…

緊縮財政目的で緊急事態宣言解除を早めるのはまずい

前回の記事「感染防止優先か、経済優先かの二分法ではいけないコロナ対策 」では今後も引き続き感染拡大防止のために緊急事態宣言を延長し民間の事業者や国民個人の行動制限をかけていかねばならないけれども、経済活動の抑制を長期化させるわけにもいかない…

感染防止優先か、経済優先かの二分法ではいけないコロナ対策

前回書いた「相反するコロナ感染拡大防止策と経済活動維持 」という記事でコロナウィルス感染拡大防止策と経済活動活性化はトレードオフの関係で、相反しているということだけを先に伝えました。 ワクチンや確実な治療法が見つかっていない現時点において、…

相反するコロナ感染拡大防止策と経済活動維持

3月末に急速なコロナウィルス感染拡大が進み、令和2年4月7日に政府が緊急事態宣言を発令しました。未だワクチンの開発が進んでいない現在において感染症の拡大を防ぎ、医療崩壊を避けるためには人と人の接触を減らすしかありません。ところが経済活動という…

給付付き税額控除の考え方が理解できない人たち

前回の記事「現金一律給付の妨害で顕かになった戦時中の軍部と変わらない財務省の体質 」で書いたように、安倍政権は不評だった現金30万円給付ただし急激な所得激減があった世帯のみという案をひっくり返し、国民全員ひとりあたり10万円無条件給付を打ち出し…

現金一律給付の妨害で顕かになった戦時中の軍部と変わらない財務省の体質

「コロナウィルスという敵と闘う戦士たちを支えるロジスティクス 」「迅速性が欠けるコロナ休業補償 」につづくコロナ対策についての記事です。今回の記事を含め三部作構成でまとめていますが、現在感染拡大阻止のための外出自粛等で所得急減や資金繰り悪化…

迅速性が欠けるコロナ休業補償

前回の記事「コロナウィルスという敵と闘う戦士たちを支えるロジスティクス 」はいま起きているコロナウィルス感染拡大を戦争と位置づけ、その戦争の最前線に立つ兵士というべき民間事業者や個人へのモノやサービス、お金といった物資補給を滞りなく進めるロ…

コロナウィルスという敵と闘う戦士たちを支えるロジスティクス

コロナ感染拡大でアメリカやヨーロッパなどの国々は外出や移動、そして人との交流が大きく制限され、経済活動が著しく抑制されています。日本においても感染がひどい欧米諸国で行われている都市封鎖(ロックダウン)ほど徹底はしていませんが、4月7日に安倍…

大型財政出動の財源は大丈夫?→心配いりません!

コロナショックで多くの国々が経済麻痺状態におかれています。イタリアでは感染拡大がひどく、市民の外出の制限や店舗などの休業、都市閉鎖まで行っていますが、多くの人々が仕事をすることができず、収入が途絶えてしまっています。僅かな貯金さえ食い潰し…

現実味が出てきてしまった令和恐慌

コロナウィルスの猛威とその抑制を引き換えにした経済活動の自粛・抑制によって、欧米では経済マヒと言っていい状況に陥っています。 アメリカではなんとコロナ禍で失業率が30%超ととんでもない状況に陥っています。コロナショックといえば部品供給停止や従…

なぜ各国はコロナショックで財政出動と金融緩和を全開にするのか?

今回の記事は「新・暮らしの経済手帖 時評編」・「新・暮らしの経済手帖 基礎知識編」同時掲載です。 コロナウィルスの感染が世界全体に拡大しており、感染源の中国周辺の国だけではなく、アメリカやヨーロッパ、イラクにまでその被害が及んでいます。とくに…

コロナショックで隠れた消費税増税の悪影響を無視するな

前回コロナショックによる経済的打撃とそれより以前からはじまっている景気減速の動きに対する手当についての記事を公開しました。私は両者の性質が短期劇症型と長期慢性型で異なっており、対応策は違ってくるということを言うと共に、両者を同時に進めない…

コロナショックと長期景気悪化への対処が同時に求められている

コロナウィルス蔓延によって世界各国で生産活動の停止や旅行・興行・外食などの自粛によって経済活動が沈滞しています。小さな政府志向が強く民間の経済活動に政府が介入することを嫌うアメリカや財政規律(オルド)を過剰に遵守したがるドイツに至るまで金…

やる気のなさを見抜かれてしまった日銀と信用の毀損

一昨日3月16日に日銀政策決定会合が行われました。コロナウィルスショックによる経済活動への打撃を考慮して前倒しで行われています。同日にアメリカの中央銀行FRBのパウエル議長がゼロ金利政策と中銀が債券等を買い取る大胆な量的緩和政策の再開を打ち出し…

有事で危機に陥った民間の経済活動を救え!

3月11日で東日本大震災発生から9年目を迎えます。あの痛ましさを忘れることはできません。あのときは津波や福島第一原発事故などで生産設備そのものが破壊され供給が停まったり、計画停電や自粛ムード等で経済活動の混乱や麻痺が東日本だけではなく日本各地…

円安で日本が貧しくなっただと?

ここ最近また奇妙な経済記事を見かけるようになりました。それは円安状態が続く日本は貧しくなったとか、日本で生産された物やサービスが世界中の人々から安く買い叩かれているみたいな記事です。いまコロナウィルスショックで急減してしまいましたが、諸外…

コロナウィルス対策と景気後退への対処が同時に求められている今

新型肺炎コロナウィルス感染拡大によって、わが国においてもあちこちで混乱が起きています。感染防止のためにマスクが不足してしまったとか、人混みの中での感染拡大を避けるために企業が社員に在宅勤務・テレワークをさせたり、多くのイベントが中止になる…

結局かなり高くついてしまうことになりそうな消費税増税

前回は2月17日に発表された内閣府の2019年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値において、内需が総崩れとなっていたことや、同日に馬淵澄夫議員が行った国会での安倍総理らへの質問について取り上げました。 動画 馬淵澄夫議員によ…

”内需総崩れ”状態の経済に対するダメージコントロールができない政界

中国発の新型肺炎コロナウィルスの蔓延で、かなり騒がしくなっていますが、日本の経済状況もじわじわと悪化の兆候が見られています。統計からみると景気のピークは一昨年末あたりだったのですが、にも関わらず安倍政権は消費税率10%増税の先送り・中止をせ…

近藤誠の”がんもどき理論”に匹敵するカルトな旧日銀理論

医師や看護師などの医療関係者や医療に関心が深い方であるならば近藤誠医師の名前を聞いたことがあるという人は多いことでしょう。彼は癌治療専門の医師であり、日本で乳癌の温存療法をいち早く提唱してきました。しかしながら『患者よ、 がんと闘うな』や『…

もっと経済政策の議論を活発に~安達誠司さん 日銀審議委員内定に寄せて~

今年3月で現在日銀審議委員のひとりである原田泰さんの任期が終わるのですが、その後任が同じく”リフレ派”といわれる安達誠司さんに内定しました。 安達誠司氏 自分としては原田さんの後任人事が非常に気がかりでしたが、安達さんが指名されると聞いてひとま…

サードインパクトへの備えはできているか?

2012年末に第2次安倍自民政権が発足し、翌年2013年から日本経済を慢性的なデフレ不況から脱出させるために、大規模な量的質的金融緩和政策と積極財政政策、規制緩和等を盛り込んだアベノミクスといわれる経済政策をはじめました。その結果として民間企業の投…

「消費なき景気回復」の謎 ~所得と消費の伸びの不一致~

今回は所得の増加と消費の伸びの不一致という問題について取り上げます。この問題は自分にとって以前より気がかりな問題でしたが、つい先日、上武大学の田中秀臣教授や明治大学の飯田泰之准教授がそのことについて触れられていました。 2013年からはじまった…

新年初投稿 「将来の予想と期待」について考える

新年あけましておめでとうございます。Yahoo!blogsから移転後初の新年のご挨拶です。 今回から新年らしく(?) 新・暮らしの経済手帖 ~経済基礎知識編~ と並行しまして、経済学における「将来の予想と期待」についての話を書き綴っていきたいです。 関連記…

「三本の矢」がバラバラになったアベノミクス

アメーバブログで設置した「暮らしの経済手帖~基本知識編~」で「リフレレジーム(政策枠組み)について考える」という記事を書きました。 ameblo.jp この記事の主旨はマクロ経済政策で需要不足型不況に対処する金融緩和政策と積極的財政政策の二つと、ミク…

経済政策は国民生活を守る要

先月11月26日に国民民主党の森ゆうこ議員らをはじめとする左派系野党の内向き主義を批判するために「国民の「暮らし」に無関心な左派系野党 」という記事を書きました。 森議員だけではなく、立憲民主党の石垣のり子まで高橋洋一氏を何の根拠もなくツイッタ…

日本はいま「滅びの40年」に向かっているのか ~半藤一利氏の「40年史観」~

「日本のいちばん長い日」や「ノモンハンの夏」などで知られた作家の半藤一利氏ですが、この方は日本という国は明治維新以後から40年ごとに興廃を繰り返しているという「40年史観」を持っていらっしゃることで有名です。 半藤氏は明治政府樹立から40年後であ…

国民の「暮らし」に無関心な左派系野党

少し多忙だったのと、やや無気力気味で思考力が低下していたことが重なり、半月ぶりのブログ投稿となります。 経済状況を見ていると、日本に限らず世界全体で雲行きがどんどん怪しくなってきており、本来ならば金融緩和政策と財政拡大政策を積極的に進めない…

防災はある「線引き」があることを示していくべきだ

今回は「ちぐはぐな防災観が命を奪う危険性」の続編です。 上の記事は木村貴氏が書いた防災に関する記事についての批判でしたが、付け加えたいことがあります。 wezz-y.com それは「防災は行政任せにしてはいけない」「行政による(堤防などのハードを中心と…

ちぐはぐな防災観が命を奪う危険性

先月の台風19号は日本各地で大きな被害をもたらしましたが、その直後から防災について声をあげる人があちこちで出てきました。正直防災の話となると非常に政治的な話で、議論をしても冷静さを見失いがちになります。 私自身も若かりし頃より、自民党田中派を…