新・暮らしの経済手帖 ~時評編~

わたしたちの暮らしを大切にするための経済解説サイトを目指して開設しました。こちらは時評編で基礎知識編もあります。

2018-01-01から1年間の記事一覧

介護施設経営者ならびに施設長を変えなければ福祉はダメになる

前回「施設に紛れ込むブラック介護職員・看護師 ~病院や介護施設で起きる暴力・殺人 その3~ 」では介護福祉施設に著しく人格に問題があったり、漢字がまともに読めない・書けないなど知性や能力が著しく劣った人物が職員として流れ込んでしまっていること…

施設に紛れ込むブラック介護職員・看護師 ~病院や介護施設で起きる暴力・殺人 その3~

「病院や介護施設で起きる暴力・殺人」の3回目で、前回「介護絶望工場 ~病院や介護福祉施設内で起きる暴力・殺人 その2~ 」は収容主義・管理主義の施設経営が職員の精神を蝕む構造について述べました。今回は逆に元々人格的・能力的に著しい問題を抱えた…

介護絶望工場 ~病院や介護福祉施設内で起きる暴力・殺人 その2~

前回記事「病院や介護福祉施設内で起きる暴力・殺人 その1 」の続きで、医療や介護福祉施設内で起きる暴行・虐待・性犯罪の発生要因について推察をしていきますが、今回は施設側の問題を中心に述べていきます。有料老人ホーム神奈川県のSアミーユ川崎幸町で…

病院や介護福祉施設内で起きる暴力・殺人 その1

暗く重い話を続けます。今回は病院や介護福祉施設内で起きた暴力や殺人事件の発生です。 こうした事件のニュースは結構な頻度で入ってきます。今日もまた自分の住む愛知の有料老人ホームで女性職員が入所者に「死ね・動くな・うるさい」と暴言を吐いたり、平…

寝たきり老人をつくってしまう病院や介護福祉施設

前回は患者を飼い殺しにしてしまうブラック病院について取り上げてみました。 「ミナミの帝王」40~41巻「白い闇」より 身寄りのない長期入院患者をかき集め、人件費や光熱費などの徹底的なコストカットを行い、劣悪な環境でベットに縛り付けておくという非…

患者を殺す劣悪なブラック病院

先日岐阜の「Y&M 藤掛第一病院」で高齢の入院患者5人が相次いで熱中症で死亡するという事件が発生しました。 朝日新聞 いまだ真相語らぬ病院側 岐阜の患者5人死亡から1週間 産経新聞 岐阜の病院入院患者、5人目の死者 熱中症か エアコン故障の3階の病室 …

医療費削減が目的化してはならない地域医療

医療に関心を持っている人ならば長野県は日本でも一、二を争う長寿県であることを知っているかと思われます。今年2018年は日本一の長寿県の座を男性については滋賀県に譲りましたが、女性についてはやはり長野県が日本一の長寿県です。長野県の県民一人あた…

医師たちをがんじがらめにする保険医療材料制度と診療報酬制度

前回終末期医療の在宅緩和ケアにおける酸素吸入療法で終末期がん患者や老衰による肺炎患者など急性の呼吸困難に対する保険適用がない問題について取り上げました。国や厚生労働省が医療費圧縮の狙いもあり入院から在宅医療にシフトさせようとしているものの…

臨床現場とズレている保険医療材料制度と診療報酬制度

前回は終末期医療問題について触れましたが、そのことについて調べているときに気になる問題を見つけました。それは在宅緩和ケアにおける呼吸困難時の在宅酸素療法と医療保険から支払われる診療報酬のことです。 終末期のがん患者さんはそれによる疼痛の他に…

終末期医療について考え直す

久々のブログ更新です。「社会保障・福祉・医療問題 」編は年金保険問題から医療保険問題に話を移しております。現在日本はどんどん国民医療費が膨張してきたのですが、その要因として前々回と前回に取り上げた非常に高コストな先進医療の他に老人医療費の増…

たったひとつの抗がん剤(オプジーボ)が国を滅ぼすなんてありえない

前回の「高度先進医療が医療保険制度を破綻させるのか? 」にて薬効は極めて高いが、薬価が超高額な新薬が登場している話を書きました。実例をあげればC型肝炎の特効薬とされているソバルディやハーボニー、画期的ながんの免疫治療薬といわれている小野薬品…

高度先進医療が医療保険制度を破綻させるのか?

前回の「医療費の膨張はなぜ起きる 」で、国民医療費が増大していく原因のひとつに高額な薬剤やダヴィンチなどの手術支援ロボットの普及拡大がその理由のひとつとしてあげられていることを話しました。先に結論を申せば確かに高度先進医療費が国民医療費の増…

医療費の膨張はなぜ起きる

各社会保険制度の状況や問題について検証していますが、今度は医療保険制度です。新聞やテレビなどのマスコミを通じて、年金保険制度と共に給付額の膨張し続けて大変なことになっていると制度破綻の危機感を煽られています。 まずは国民医療費の総額の推移や…

介護保険制度は公正に運営されているの?

ここのブログで多くの人が心配されているであろう老齢年金制度の財源問題や保険料負担について解説しておきました。 「公的年金保険制度は簡単に破綻しないが・・・・・」 「将来もらえる年金額はどうなる? 」 上の記事にて年金制度は保険制度であり、加入…

介護保険制度が導入された2つの背景

社会保障制度のうち、国民が保険料を拠出する形で運営される社会保険制度についてのことをずっとお話しています。前回までは年金保険制度と少子高齢化問題について述べてきましたが、やはり高齢者向けの保険制度となる介護保険制度について見ていきましょう…

リフレ派的視点で考えた少子化対策

前回記事「子育ては一家の巨額投資 」の続きで、今回は少子化進行を食い止めるための政策について考えてみたいです。 前回記事で述べたことは一家にとって子どもを産み、育てるということは大きな負担がかかります。別の言い方をすれば一大投資だともいえま…

子育ては一家の巨額投資

「年金・健康保険財政の悪化は少子高齢化のせいだけか? 」で自民党の二階俊博幹事長による「子どもを産まない方が幸せに送れるんじゃないか(と考える勝手な人がいる」発言の批判をし、さらには「食い止めきれない少子高齢化の進行 」で少子化対策の難しさ…

将来もらえる年金額はどうなる?

前回記事「食い止めきれない少子高齢化の進行 」で日本の少子高齢化社会は2060年あたりになると約40%が65歳以上の高齢者となり、1人の高齢者を1.2人の現役世代で支えていかねばならない状態になるとお話しました。仮に女性1人当たりの出生率が2.3に回復して…

食い止めきれない少子高齢化の進行

「年金・健康保険財政の悪化は少子高齢化のせいだけか? 」で「技術高度化によって雇用の場が縮小していくという技術的失業発生と少子高齢化による生産可能人口の減少が互いに問題を相殺するという見込みも出てきます。そういう意味で私は少子高齢化問題につ…

公的年金保険制度は簡単に破綻しないが・・・・・

よく日本の公的年金保険制度が急速な少子高齢化の進行によって破綻するとか、いま高い保険料を支払い続けても年金はもらえなくなると思っている人がかなり多くいます。果たしてそうでしょうか? 単刀直入にいえば公的年金保険制度はそう簡単には破綻しない制…

年金・健康保険財政の悪化は少子高齢化のせいだけか?

いまこうして私が「税と国家財政問題 」編を書き綴っている最中に自民党の二階俊博幹事長が変なことを言い出しました。「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考えて」いる人がいるといった内容の発言です。 二階氏の暴言について書いた記事 長…

「暮らしの経済(手帖)」 ブログ開設1周年

今日は7月1日でこの経済ブログの開設1周年となります。 このブログは極力目線を下げて私たち一般生活者の暮らしをよくするための経済政策とは何かを探求するという目的ではじめました。このブログを開設する前に別の趣味系ブログの付録として経済や政治・社…

高度成長期に生まれ発展していった公的年金・健康保険制度とその変調

前回は国民皆保険・皆年金体制が達成されたときの時代背景やその制度設計の簡単な説明だけさせていただきました。制定された1959年当時には最善といえる日本の社会保険制度でしたが、時代を経ていくうちに国民年金や国民健康保険を中心に財政問題等が浮上し…

高度経済成長期に整備・発展した日本の公的医療保険・年金保険制度

これから各種社会保障・福祉・医療制度の問題について詳しく考察していきます。 まず最初は老齢および障害年金制度や健康保険といった社会保険制度から見ていきましょう。 前回にも解説しましたとおり、日本では現在以下の社会保険制度があります。 健康保険…

社会保障・福祉制度の種類と財源

前回は日本の社会保障・福祉・医療制度の沿革について、大雑把に説明させていただきました。 今回はその制度体系についてです。 これまで強調してきましたとおり、社会保障と福祉・医療は厳密にいうと異なります。前者は所得保障制度で現金の給付が中心です…

措置から保険方式へシフトしてきた社会保障・福祉・医療制度

いま起きている社会保障・福祉・医療制度問題の話に入る前に非常に軽く簡単に日本におけるこの制度の歴史について述べておきたいと思います。後に財源問題について考えるときにも重要になってきます。 その前に前回書いたことでもあるのですが、社会保障制度…

国民生活に関わる社会保障・福祉・医療問題編へ

今回から「社会保障・福祉・医療問題 」編です。これまで貨幣の発生から、バブル景気とその後のデフレ不況発生を取り上げ、いま安倍政権が進めている経済再活性化政策アベノミクスとリフレーション政策がどういうものなのかについて説明をしてきました。この…

リフレ派は単純な貨幣数量説だけにとらわれない

前回に続き中野剛志氏のマクロ経済認識に対する批判を行います。 「中野剛志氏の内生的貨幣供給についての解釈 」 前回のおさらいをしますと、彼はマネタリーベースとマネーサプライの関係や外生的・内生的貨幣供給説・流動性の罠についての認識を誤っている…

中野剛志氏の内生的貨幣供給についての解釈

「財政政策のあり方 」編で自民党の安藤裕議員らが集まって行った「日本の未来を考える勉強会」の講師として参加した中野剛志氏が説明したMMT(現代貨幣理論)や彼らの貨幣・負債に対する認識について批判しました。 「中野剛志氏の貨幣と負債の認識について…

印象ではなく数量的に国家財政問題を把握すべき

「税と国家財政問題 」編ですが、まとめに入ります。 日本の国家財政が危ないだの、国債が暴落するだのと煽り立てる経済評論家や政治家・マスコミが山ほどいます。いま日本国民の圧倒的多数が日本の国家財政は深刻な危機だと思っているのではないでしょうか…